塾ジイのBAR12 -「その“2”は成長の証じゃ」ー
【模試の前に「テーマ」を決める】
「失礼します」
「おや、今日はどうしましたかな?」
「塾ジイ、10月の模試に向けて勉強してるんだけど……」
「ほう。ちゃんと準備しておるんじゃな」
「うん。でも、何をやったらいいのか、だんだん分からなくなってきて」
「なるほど。では、まず一つ聞こう」
「何?」
「今回の模試に向けて、テーマは決めておるかな?」
「テーマ?」
「そうじゃ。ただ『勉強する』ではなく、『今回はここを伸ばす』と決めるんじゃ」
「例えば?」
「英語なら、長文の時間配分」
「うん」
「数学なら、関数の問題」
「なるほど」
「国語なら、記述問題という具合じゃ」
「テーマを決めると、やることが絞れるんだね」
「そうじゃ」
「じゃあ、10月の模試までは、そのテーマを意識して勉強する」
「それが大事なんじゃ」
「ただ勉強するより、何を伸ばすかを決める」
「その通りじゃ」
【模試は「受けた後」が大事】
「そして、模試を受ける」
「うむ」
「ここからが今日の話じゃ」
「模試を受けた後?」
「そうじゃ」
「まず、問題用紙、答案、解答解説、成績表を一つにまとめておく」
「それは昨日の『まどろみ』でも言ってたね」
「そうじゃ。模試ごとに、きちんと残しておくんじゃ」
「それで?」
「次に、成績表を見てみる」
「偏差値?」
「そうじゃ」
【偏差値の低い模試から見る】
「そして、模試を偏差値の低かった順に並べる」
「低かった順?」
「一番低かった模試を一番上にするんじゃ」
「何で?」
「入試直前期に復習するとき、その順番が役に立つからじゃ」
「なるほど」
「そして、一番低かった模試を取り出す」
「そこから復習するんだね」
「そうじゃ」
【「正答率の高い問題」を優先する】
「でも、全部の問題をやり直すの?」
「いや。ここでもう一つ、大事な数字を見るんじゃ」
「何?」
「正答率じゃ」
「正答率?」
「その問題を、何%くらいの受験生が正解したかという数字じゃ」
「それを見るの?」
「そうじゃ」
「例えば、正答率80%の問題を、おぬしが間違えていたとする」
「それは気になるな」
「多くの受験生ができている問題を、おぬしは落としているわけじゃ」
「なるほど」
「逆に、正答率20%の難しい問題を間違えていても……」
「みんなも苦戦してる」
「そういうことじゃ」
「じゃあ、正答率の高い問題からやったほうがいい?」
「その通りじゃ」
「つまり……」
「まず、偏差値の低かった模試を選ぶ」
「うん」
「その中で、おぬしが間違えた問題を見る」
「うん」
「そして、その中でも正答率の高い問題を優先する」
「分かった」
「これが、入試直前期には特に大切なんじゃ」
「何で直前期なの?」
「時間が限られておるからじゃ」
「全部を完璧にするのは無理だもんね」
「そうじゃ」
「だから、まずは『みんなが取っている問題を落とさない』ことを目指す」
「なるほど」
「難しい問題を一問できるようにするより、正答率の高い問題を一つ確実に取れるようにする」
「それなら、点数にもつながりそう」
「そうじゃな」
「じゃあ、その問題をどう復習するの?」
「まず、『なぜ間違えたのか』を考える」
「知識が足りなかったとか?」
「うむ」
「解き方が分からなかったとか?」
「そうじゃ」
「ケアレスミスだったとか?」
「それもある」
「時間が足りなかった場合もあるね」
「よく分かってきたの」
「原因が分かったら?」
「解答解説を読む」
「うん」
「そして、もう一度自分で解いてみる」
「解けたら?」
「○をつける」
「解けなかったら?」
「もう一度、原因を考える」
「なるほど」
「そして、できるようになったら次へ進むんじゃ」
「それを繰り返す?」
「そうじゃ」
【模試から「次のテーマ」を見つける】
「一番低かった模試が終わったら?」
「次に偏差値の低かった模試へ進む」
「そこでも同じことをする」
「うむ」
「低かった模試から順番に、正答率の高い問題を優先して復習する」
「それが今日覚えてほしいやり方じゃ」
「なんか、模試が教材みたいになってきたね」
「その通りじゃ」
「模試って、一回受けて終わりじゃないんだ」
「むしろ、受けた後にどう使うかが大事なんじゃ」
「新しい問題集を買うより、こっちをやったほうがいい場合もある?」
「もちろんじゃ」
「自分が実際に間違えた問題だから?」
「それもある」
「しかも正答率まで分かってる」
「そうじゃ」
「だったら、自分に必要な問題が分かるね」
「まさに、それが『自分専用の教材』ということじゃ」
「なるほど」
「そして、もう一つ大切なことがある」
「何?」
「模試を受けたら、そこで終わりにせんことじゃ」
「次のテーマを見つける?」
「その通りじゃ」
「今回、関数をテーマにして勉強した」
「模試を受けてみた」
「でも、まだ関数で間違えている問題がある」
「ならば、次のテーマは『関数のここを克服する』でええ」
「なるほど」
「逆に、できるようになったのなら……」
「次のテーマに進む」
「そうじゃ」
「じゃあ、模試を受けるたびに、次にやることが見えてくる」
「それが理想じゃな」
「テーマを決めて準備する」
「模試を受ける」
「弱点を見つける」
「復習する」
「そして、次のテーマを決める」
「そうじゃ」
「その繰り返しなんだね」
「一回の模試で一気に変わる必要はないんじゃ」
「一つずつ?」
「一つずつじゃ」
「前はできなかった問題が、次はできた」
「それが大事なんじゃ」
「できる問題を少しずつ増やしていく」
「そうじゃ」
「10月の模試も、ちゃんと準備して受けるよ」
「うむ」
「そして、受けたらちゃんと残しておく」
「そうじゃ」
「偏差値の低かった模試から整理して……」
「その中で、自分が間違えていて、正答率の高い問題から復習する」
「そして、次のテーマを決める」
「完璧じゃ」
「分かった!」
「入試直前になって、焦って新しいものばかり増やさんことじゃ」
「今までの自分の模試を、もう一度見直す」
「それが、最後の伸びにつながることもあるんじゃ」
「よし。やってみる!」
「その意気じゃ」
「ありがとう、塾ジイ!」
「またいつでも来るんじゃぞ」
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