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今年の税制改正
みなさんこんにちは。笑顔と元気の税理士の村田です。
7月に入り京都は祇園囃子の鐘と笛の音が聞こえてくるようになりました。
そんな中、6月30日にやっと今年の税制改正法案が国会で可決・成立そして施行されましたので、ご報告させて頂きます。
今年の税制改正はまさしく異例というより異常な展開を見せておりました。ちょっとその足跡をたどってみます。
*平成23年1月25日
平成22年度末に発表された「23年度税制改正大綱」は今年の1月25日に法案化され、「所得税法等の一部改正する法律案」として国会に提出されました。
その中にはご存じの通り、法人税率の引き下げ(減税)、相続税の基礎控除引き下げ(増税)、個人所得課税の見直し(増税)が含まれており、かなり国民生活に影響の大きい改正が含まれているものでした。
*平成23年3月31日
しかし、与党と野党がねじれた状態の国会では十分に審議されず、また、国会会期中に発生した東日本大震災の影響などにより、この法案は年度末である3月末までに審議が終了せず、国民への影響を最小限に押さえるための「国民生活等の混乱を回避するための租税特別措置法等の一部を改正する法律案」が急遽、議員提案により提出され、4月1日より施行されました。これがいわゆる「つなぎ法案」です。
*平成23年6月8日
今国会の会期末(当初6月22日、その後70日間延長)が近づいてきた6月8日に、民主党・自民党・公明党の3党が税制改正法案の処理について協議し、上記の「所得税等の一部改正に関する法律案」を2つの法案に分割することで合意しました。
その2つの法律案とは・・・
「経済社会の構造の変化に対応した税制の構築を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」と
「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」
という長ったらしい名前の法律案です。
*平成23年6月22日
この2つの法律案は6月10日に国会に提出され、当初の改正の目玉であった法人税・相続税・所得税等の改正案のほとんどが含まれている「経済社会の構造の変化・・・法律案」は早々に協議の棚上げ、先送りが決定され、ほぼ現行の税制を継続していくための「現下の厳しい経済状況・・・法律案」だけが6月22日に国会で可決され、6月30日に公布・施行されることとなりました。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/23kaisei-hotekiteate.pdf
*平成23年7月1日
というわけで、この7月以降新しい税制が運用されていくことになるのですが、この「現下の厳しい経済状況及び雇用情勢に対応して税制の整備を図るための所得税法等の一部を改正する法律案」と言う長ったらしい名前の法案には、目玉と言える改正事項はなく、当面、通常の市民生活に与える影響は無いと考えます。
ただ、消費税の免税事業者についての取扱いが変わることになったのですが、これも平成25年1月1日以降に開始する事業年度からですので、準備ももう少し先で良さそうです。
http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeiseian11/zeiseian11_05.pdf
ねじれ国会という状況の下、当初予定された税制改正は大きく姿を変え、結局何も生み出せなかったのが今年度の結論です。
先送りという名の廃案となるのか、それとも震災に対応するために全く違った改正案が来年に提出されるのか、日本の将来を決める大きな節目の時代です。政治の動きには常に関心を持って、見つめ続けていきたいです。
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