平成23年度税制改正による消費税改正-95%ルールの見直し
みなさんこんにちは、笑顔と元気で頑張っている税理士の村田です。
さて、前回のコラムで「相続税などの増税法案、凍結か??」という記事を書きましたが、昨日24日の朝日新聞でも法人税減税など見送り、と言う記事が掲載されるなど、税制改正法案の先送りが濃厚となってきました。
http://www.asahi.com/politics/update/0524/TKY201105240590.html
今回の税制改正議論の中で、あまり大きな報道等はされていないのですが、じつは改正されると税務的に大きな影響の出るものがあります。それは、「国税通則法」という法律の改正です。
この、通則法の23条には「更正の請求」という手続が規定されています。これは、申告した税額が過大、つまり税金を払いすぎていた場合に、それを正しく修正し払いすぎた税金を返して貰う手続です。
この「更正の請求」は出来る期限も定められていて、今までは「法定申告期限から1年以内」とされていたものが、改正されると、「法定申告期限から5年以内」に大きく延長されます。
例えば平成23年度(今年度)の所得税の確定申告書の法定申告期限は平成24年3月15日ですが、この申告で税金を払いすぎていた場合は、翌年の平成25年3月15日が更正の請求の期限となっていました。それが改正後は平成29年3月15日まで延長され、過去5年分の税金を取り戻せる事になる為、改正の影響は大きいものとなります。
これまでは、法定申告期限から1年が経過した後で、法令違反や計算の誤りなどで過大な税額となっていることがわかった場合、税務署に対して「嘆願書」を出して、税務署の職権による減額更正を‘お願いする’という実務になっていました。それが、法令化され、納税者の権利が拡大する改正が盛り込まれたのですから喜ぶべきかもしれません。
しかし、一方で、この通則法改正にはしっかりと納税者不利の規定も盛り込まれています。まず、更正の請求の期限が5年以内に延長される代わりに、税務署が増額更正できる期間も税目にかかわらず5年に統一されることになりました。
従来、税務調査等によって納税者のミスを指摘されてもだいたいは過去3年分の修正申告をするだけで済んでいたケースが多かったのですが、この規定が入ることにより、調査官も5年分を修正せざるを得なくなるものと思います。
現実的には、5年間さかのぼって更正の請求をする納税者より、税務署に5年間さかのぼって調査をされる納税者のほうが多くなることが見込まれており、「税務調査が厳しくなる」との指摘もされているようです。。
他の改正内容に隠れて、あまり大きくは取り上げられていない「国税通則法」の改正ですが、じつは多くの納税者に影響を与えるものなのだ、という事を知っておいて下さい。
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