聴く、伝える
—逃げない、後回しにしない、少しずつ進んでいく変化—
たくさんの方の1on1をさせていただいて、これまでで一番印象に残っているのは、「タスク管理ができない」という話から始まった人。
初回はいろいろ話を聴いた結果、Teachingで、付箋を使ったタスク管理を伝えて終わる。
翌月、「やっぱりできなかった」と、
方法の問題ではないことは明確になった。
そこからメンタルへのアプローチをしていき、少しずつ、本当に少しずつ、
3歩進んで2歩下がる、ときには1歩進んで2歩下がるもあったりしながら、
変化していった。
1年半くらいアプローチし続けた、ある月、自分軸らしきものが見えてきた。
そこから急激に変わり始める。
表情や話し方が変わり、1ヶ月の仕事での取り組み方も変わってきた。
そして、自分自身が描く理想の未来像と、現在の行動・選択がつながったとき、一気にクリアになった。
そして、無事卒業。
2年かかりましたが、2年前とは別人と言ってもいいくらい、ほんとに変わりました。
逃げない、後回しにしない、それが自然にできるようになり、
堂々とした空気感をまとうようになった。
私は、
依頼主である経営者が望む改善をすることに意識を向けなかった。
目の前の人が、この組織で働き続けるという意志があり、そのために未来像を描いてアプローチしていくことが、経営者の望む未来像にも近づく。
そう信じて関わり続けるだけ。
あくまでも依頼主は経営者なので、その途中のプロセスが、遠回りのようでも、一見無関係のように見えても、ゴールへ向かうためのプロセスなんだということを理解してもらい、協力してもらうことが、一番の難題。
経営者さんからすれば、お金のかかることなので、早期に結果を出すこと、そのプロセスを示すことを求めるのは当然のこと。
一回のセッションで劇的に変化するのが理想かもしれないですが、私は、瞬間的な変化はすぐに元に戻る、と思っています。
継続して1on1をしていくことの意義はここにあって、時間をかけて根付いたものは、簡単には戻らない。
会社を良くする、発展させていく、
という共通の目的のために一緒にやっていく。
それができるかどうかが企業1on1のポイント。