「嫌われる勇気」「幸せになる勇気」

太田英樹

太田英樹

テーマ:コーチングコミュニケーション

岸見一郎先生の著書、大ベストセラーとなった

「嫌われる勇気」を読んだことがある人も多いと思います。

詳しく説明してしまうとネタバレになるので、一言で言うと、

「自分らしく生きていいんだよ」

という、アドラーの目指す「自立」の部分を中心に書かれた本になります。

しかし、アドラー心理学には、もう一つ目指しているところがあります。

それは、「調和」です。

他人の目を気にしたり、周囲に合わせて、自分らしく生きれていない人は、

まず自分を認めてあげて、自分らしく生きようというのが、「自立」。

でも、自分の言いたいことだけ、やりたいことだけをやっていたのでは、

周囲、仲間とうまくやっていけないよね?

だから、自分らしさを出せるようになったら、

次は、相手のこと、周囲のことにも意識を向けてみようというのが、

「調和」であり、その部分が書かれているのが「幸せになる勇気」です。

なので、「嫌われる勇気」を読んだら、

ぜひ「幸せになる勇気」も読んでほしい。

日ごろ講師として伝える仕事をしていますが、

限られた時間で「伝える」のは本当に難しいと感じます。

「この部分だけを伝えると、誤解を招く」ということもありますし、

「これを伝えたら、ここも伝えないと、理解できない」

ということもあります。

でも、それをすべて伝えていたら時間が足りない。

そういうジレンマは頻繁に起こります。

他人の話を聴いていても感じます。

「その伝え方だと伝わらないよ」
「それを伝えたいなら、これも伝えないと理解できないよ」

と思うことが多々あります。

まぁ、私のアドラー解説も、

平本あきお師匠や、岸見先生、野田先生、岩井先生たちが聴けば、

その説明では足りないよ、と思うだろうな。

逆に言えば、まったく知識のない人にとっては、解説する人の話を聴いて、

「そういうことか」と思うのは、

ちゃんとした理解をしていない可能性がある。

もともとの私の専門である、介護。

今でも、介護に関する講演や研修のお仕事はときどき入りますが、

短い時間で正しい理解をしてもらうために、構成にはいつも悩みます。

介護に対して漠然とした不安を感じる一般の方には、

介護保険制度があるから安心して、というのを伝えるのは大事なこと

である反面、制度趣旨を理解せずに利用することは、

制度崩壊に繋がるリスクをはらみます。

とはいえ、そのリスクの部分を話し過ぎると、不安を煽ることになる。

でも、リスクの説明をしないのは、専門家としての怠慢だと思っています。

そんな葛藤の中で準備しています。



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太田英樹
専門家

太田英樹(コーチングコミュニケーション講師)

株式会社インサイトハウス

介護・福祉業界を中心に人材育成と事業支援で多くの実績あり。アドラー心理学ベースのコーチング研修により、社内コミュニケーションを円滑化のみならず、人材定着率や利用者満足度を高め、事業の成長につなげます。

太田英樹プロは京都新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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