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コラム

すべての問題の根っこは「コミュニケーション」

2023年10月17日

テーマ:企業支援

コラムカテゴリ:ビジネス

12年前、当時勤めていたオリックス・リビングという有料老人ホーム運営会社を退職、
一念発起し、事務所を立ち上げ、コンサル業を始めました。

見込み顧客がいるわけでもなく、太い紹介ルートを持っているわけでもなく、
今思えば、よくまぁ何の準備もせず独立したものだ、と思います。

なんとなく、40歳になる前に挑戦したい、それだけだったかもしれません。

幸運なことに、立ち上げてすぐに大きな仕事が入り、
営業よりもそのプロジェクトの資料作りや作業に追われる毎日。

2ヶ月近くその仕事にかかりっきりでした。

ようやく目処が立ち納品するも、料金を払ってもらえない、という事態が起こります。

相手の言うままに契約を先延ばしにして作業した結果、
「契約していないから料金を払う義務はない」と逃げ切られてしまいました。

2ヶ月無収入で一つの仕事に注力してしまい、営業活動もしなかったので、次の仕事の当てもない。

どうしよう、と思っていた矢先に、東日本大震災が発生し、世間は営業自粛モード。

人生が終わったと思うくらい落ち込みました。

その後、ヘルパースクールの講師をしながら、
単発で入る研修やセミナーでなんとか食い繋いでいましたが、
2011年10月、意図せず転機が訪れます。

「高齢者住まい法」という法律が改正され、いわゆる「サ高住制度」がスタートします。

ご存知ない方もいると思いますが、
昔は、老人ホームや高齢者住宅を規定する法律が曖昧で、トラブルが絶えませんでした。

酷い環境に高齢者を閉じ込めているだけで高額な費用を請求する悪徳事業者も少なからず存在しました。

そういったことを解消するために、サービス付き高齢者向け住宅、つまりサ高住制度ができたんです。

ただ、この制度を推進するために、サ高住の建設に対して多額の補助金が出ることになったため、
土地をもっている富裕層の税金対策に利用されてしまうということも起こりました。

つまり、介護の知識も、思いもないけど、税金対策になるし、補助金も出るから、とりあえずサ高住を立てようというオーナーさんと、それを勧める建築会社が横行するという一面があったんです。

私は、ある意味、この事態に救われました。

介護の知識はないけどサ高住を建てたいというオーナーさんから、
「立ち上げをサポートしてほしい」
という依頼が入るようになりました。

数えきれないほどの高齢者住宅とその併設介護事業の立ち上げをサポートしました。

経営を見ながら、実際に自分自身が現場にも入りましたし、
ケアマネ業もやったり、営業にもまわったり、
およそサ高住に必要なことはすべて自分で経験してきました。

おかげで、いくつかの自治体から、
サ高住を指導するためのマニュアル作りの相談をされたくらいプロになりました。

あらゆる経験をしてきたからこそ、ハッキリ言えるのは、
ほとんどの問題は、コミュニケーションで解決できます。

たとえば、利用者を獲得するための営業活動、
これも顧客やケアマネさんとのコミュニケーションです。

コミュニケーションが良くなり、営業活動がうまくいけば、利用者が増え、事業収支が改善できます。

人材確保も、求職者とのコミュニケーションですし、
そもそも、社内コミュニケーションが良ければスタッフが退職しなくなります。

運営自体も、スタッフ間コミュニケーションが良くなれば、
問題が起こっても皆で相談して解決できます。

うまくいってないところは、どこかのコミュニケーションに問題がある。

それが私の結論です。

なので、私はどんなお仕事も、とことん話を聴くところから始めます。

本当の問題課題は何なのか、
それがどうなったらいいのか、
ビフォーアフターのイメージを明確にしたうえで取り掛かる。

それが私の仕事のやり方です。

この記事を書いたプロ

太田英樹

介護業界をコーチングコミュニケーションで幸せにするプロ

太田英樹(株式会社インサイトハウス)

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