「向き合う」ではなく「寄り添う」
「思考」を変えようという書物や研修、セミナーがたくさんあります。
とっても大事なことだと思います。
ただ、一点注意してほしいことがあります。
「思考は簡単に上書きできる」
ということです。
例えば、
「よし!健康のために明日から毎朝10kmジョギングするぞ!」
と決めたとします。
思考で、
「健康に気を使わないといけない。まずは10kmのジョギングからだ」
と考えます。
そして、翌朝起きると、雨が降っている。
「初日から雨はイヤだな。よし、明日からにしよう!」
と、思考の上書きが始まります。
すると、次の朝、少し寝過ごしてしまう。
「あー、もう今から10kmも走ったら仕事に遅れるなぁ。やっぱり明日からにしよう」
と、さらなる上書きが起こります。
さらに翌朝、なんだかお腹の調子が悪い。
「うーん、健康のためなんだから、まずはお腹の調子が治ってからだな」
と、もう意味不明な上書きがされ、最初の思考はどこへやら。
それが、人間の「思考」なんです。
思考を変えることで行動が変わる人、変えた行動が元に戻らず維持できる人はごく僅かです。
それは何故か。
元の習慣、元の行動、元の思考のほうが自分にとって楽だから。
慣れ親しんだ行動、思考、習慣は簡単には変わりません。
変わるためには、新しく取り入れたい思考、行動、習慣が、自分にとって普通の状態にしないといけない。
ポイントになるのが、「感情」です。
思考の上書きが起こらないくらい、
上書きが起こりそうになってもそれを上回るくらいの感情があればいいんです。
感情は、思考ほど簡単には上書きされません。
思い出してみてください。
何かめっちゃうれしいことがあった時って、多少イヤなことがあっても気にならない、
なんてことありませんか?
感情を変えれば、思考や行動も変えられます。
なので、思考を変えましょう、という研修やセミナーとは違う講義をしています。



