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マンション管理費の滞納が続くとどうなるのか・・・?

矢田倫基

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テーマ:マンション管理費滞納

マンション管理費滞納

マンションの管理費滞納は管理組合にとって一番ネックな問題になります。
なぜなら、管理運営上の問題、さらにはマンション全体の資産価値に影響があるからです。
そのため、管理組合側も滞納者に対して弁護士などを活用し法的な手段で回収を試みる管理組合が増加してきました。

とは言いながらも、1回や2回程度の滞納で、厳しい措置を取られることはありません。
しかし、何十万円もの金額に膨れ上がってくると、やはりそれなりの措置が待っています。
マンション管理費滞納における回収方法は、住宅ローンの滞納の時とは少し違い、下記に示すような、段階的な手続きによって回収が図られます。


管理費滞納による段階的手続き

初期段階

半年から1年程の滞納をひとつの基準とし、法的な措置をとる前にまず管理組合や管理会社が独自にできる請求がこの段階になります。
1回や2回程度の滞納であれば葉書きや電話といった比較的穏やかな請求ですが、その請求に対して無視していると、内容証明など普段見慣れない賢こまった文体で支払い請求をうけることとなります。

中期段階

内容証明など送っても返事がなく不誠実と思われる対応をとっていると、次は裁判所を介した請求をうけます。
支払い督促なる手紙です。
多くの方はこの通知を見てびっくりされ、なんとかしてお金を段取りされますが、やはり支払いがどうしても出来ない方もおられます。
そうすると、少額訴訟や通常訴訟というかたちで滞納分を強制的に回収できる手続きをとってきます。
ちなみに訴訟されたからと言って逮捕されたり刑事罰を受けることはありません。
強制的な回収とは、例えば給与の差し押さえ、銀行口座の凍結、動産物(室内の物、車)などの差し押さえです。
住宅ローンの滞納ではこのようかたちの強制執行が行われることはほとんどありませんが、管理費滞納のよる強制執行はこういった回収もあるということを知っておいてください。

終期段階

管理組合は中期段階での回収に十分な成果が得られなければ、競売も視野にいれた動きに切り替わってきます。
しかし、ほとんどの方は住宅ローンを組んでいるため、仮に管理組合が不動産に差し押さえをしても、抵当権者がすでにいるため、優先してお金を受けることができません。
また、金銭債権請求というかたちで競売の申し立てがなされても、裁判所の無余剰取り消し決定で、競売は取り下げられることになるのがほとんどです。
ですので、管理組合としてはもうお手上げとすることもよくあります。

しかし、民法には区分所有法59条というのがあり、管理費などの滞納はマンション住人全体の利益を損なう、共同利益背反行為として、金銭債権を請求することを目的にするのではなく、これ以上マンションの資産価値を落としてはならないということで、滞納者を追い出すことを目的(所有権剥奪目的)とした競売手続きがあるのです。
この区分所有法59条でマンションを競売にかけることは、管理組合側もたくさんのハードルを越えなければならず、非常に難しいものであることは確かなのですが、中期段階における全て強制執行を行いもうこれ以上請求するすべがないと、裁判所が判断すれば、この59条競売が適用されることもあるのです。




いずれにしても、伝家の宝刀59条競売という法律があるかぎり、管理組合はその適応を目指してあらゆる強制執行を行ってくる場合があります。
それによって住宅ローンの支払いや日常生活にも影響を及ぼしてしまうことは避けられません。
マンション管理費の滞納をされている方は、早い段階で専門家に相談されることをおすすめします。

以上、「マンション管理費の滞納が続くとどうなるのか・・・?」のお話しでした。

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矢田倫基
専門家

矢田倫基(不動産コンサルタント)

烏丸リアルマネジメント株式会社

首都圏・関西圏で1000件以上の経験をもとに最善の条件での売却を実現。不動産と法律のプロが幅広い選択肢を提案し法的手続きまで対応。心理学の知識を生かした「心のカウンセリング」で生活再建を支援する。

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