「やる気がないならやめなさい!」という前に

三上緑

三上緑

テーマ:個性に合わせた子育てプランニング

「自分で始めたいと言ったピアノなのに、全然練習をしなくて。
練習をしないなら辞めなさいと言っているのですが、どうしたら良いでしょうか?」


この様にママからお聞きして、ドキッとした事ありませんか?
確かに上達するお子さんは、どこかで努力しているし、練習をしています。

しかし力技で、「やりなさい!」と言っても解決しません。お家練習について考えていきたいと思います。





練習というものは何を指すのでしょう



よくお聞きする事が、遊んでばかりで全然練習しないという話。
遊びは最近では、ゲームばかりして、とか、YouTubeばかり見てとか‥

まずは、生き生きと楽しめるものがあるのはいいですね。本当に疲れ果てて無気力になってしまうと、ぼーっとしていたり、寝てばかりいたりしてしまうのです。ですから、一生懸命打ち込むものがあるという事は心が健康な証拠です。


しかし、自由になる時間は限られていて、その時間にピアノに近づいていただきたいですね。

この、「遊んでいる」という事をもう少し深くお聞きすると、好きな曲ばかり弾いて先生から出された宿題を全然しないという状態だったりします。


これは、全然練習しているのではないかと思うのです。

練習というのは、繰り返し反復しより能率的に行える様にする事。
大人がいう練習は、効率よくその部分だけを反復すれば上達するところに、着目しているのですね。
しかし、ピアノに向かい好きなように楽しんでいる様は、結果的に演奏能力が上がります。


効率よく進まないので、歯痒く感じるかもしれませんが、
「楽しいからやる」
すべては、ここから始まるのではないかと思うのです。



練習が楽しいと感じるために


楽しいと感じるためには、自分がしたいことである必要があります。
「きっと出来ないだろう」という事に立ち向かうには、たくさんの成功体験がないと難しいのです。
ですから、まずは「これだったら出来る」と感じてもらう必要があります。

たとえ、ささやかなレベルアップでもまずは

やってみた → 出来た

この繰り返しが必要です。そしてこの成功体験が後に、難しい事にもチャレンジしようかというやる気の元になってきます。


また、「これをぜひクリアしたい」という熱意も、楽しい事になります。弾きたかった曲には、周囲が驚くような集中力を発揮するのはこのためです。






では楽しい事しかしなくて指導は成り立つのか


楽しいことだけ拾い上げて、飽きたら次へ‥
このレッスンに陥ってしまい、退会してしまった生徒さんはいませんか?


ここが難しいところですが、重要なところだと思います。
まだまだ興味関心が狭いのは、子どもは仕方ないことなのです。そこに新しい価値観を見せたり伝えたりして、

そんな世界があったの?
私もやってみたい。
教えて!

この様な関心を持ってくれたなら、指導者としてこれ以上嬉しいことはありません。


好きな事を自己流でやっていたところから、
もっとカッコ良く演奏する方法あるよ。
これ知っているって結構かっこいい事だけど知りたい?


こんな動機付けは、子どもたちはワクワクして乗り出してきます。
「しなければならない事だから」というスタンスではない練習。

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三上緑
専門家

三上緑(音楽教育家)

一般社団法人カラフルエデュ協会

繊細な子どもたちのやる気、才能を引き出す独自のコーチング「音いろはメソッド」「未来プランニング」を伝えている。勉強会や個別相談なども実施し、子どもの導き方支援・理想実現サポートを行う。

三上緑プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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