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三上緑

独自のメソッドでピアノ講師を支える音楽教育家

三上緑(みかみみどり) / 音楽教育家

一般社団法人カラフルエデュ協会

コラム

子供の才能を伸ばす指導とは

2023年5月21日 公開 / 2023年5月22日更新

テーマ:教育

コラムカテゴリ:スクール・習い事

子どもの稀な力に気づき、大切に守り育てる事。
この事が大切だと、誰しも知っている事です。しかし実際は‥

多くの事例を見てきた者として、リアルケースの1つを書きます。


子どもの大好きな事が大人に認められにくい事だったら


幼稚園、集団生活に入る前、熱心に好きな事を延々と楽しむ子どもでした。
ドミノを並べたり、立体の積み木を使ってピー玉を転がすレーンを組んだり。
緻密な絵の模写をしたり、あやとりなどなど。いくつもの遊びを並行せず、
マイブームという言葉がピッタリ。1点集中して遊びます。


男の子でしたので、アウトドアの遊びに誘われる事が多いですね。
そんな時、歯がゆい思いをママはしていたようでした。


そして、集団生活に入ります。
室内で熱心に活動していると、「お天気がいいのにお外で遊んできましょう」と
積み木やあやとり紐を、先生が預って外遊びに積極的に誘ったそうです。


しかし、どこか不完全燃焼な感じが残っているはずです。
教室に来た時は、熱心に何かを始めた時にはなるべく声をかけず
気が済むまでさせておきました。
満足した顔になるので、この時間がこの子には必要なのだと感じました。


”男の子だから”  ”小さな子どもだから” このような条件で見た時、
教室の隅で、ずっとあやとりの形を熱心に考えていることは、
大人から見た時、好ましい事ではなかったのですね。
しかし、私はこの探究心と集中力はこの子の才能に違いないと思いました。





嫌いな課題とどう付き合うか



小学校に入学し、漢字学習ノートと計算ドリルがとても嫌いで、
宿題がなかなか終わらず困っているとお聞きしたことがあります。


覚えも早いし、計算がわからないと想像しにくいので、本人に聞きました。
宿題がなかなか終わらなくて、ママが疲れ切ってしまい、ピアノの教室を
お辞めになる方が意外に多いのです。ですので放っておくことはできませんでした。


その答えは、「なぜ何回も同じことを書かなければいけないの?」
という事でした。それで、「覚えるために何回も書くといいからだはないかな」
と返したところ、

「普通、1回書いたら覚えるでしょう」とのこと。
確かに覚えているようでした。

「ということは、計算ドリルも同じ意味でやる気が出ない?」と聞くと

「どうしても、面白くない」のだそうです。


低学年の学習は、特に繰り返しの課題が多い時期です。
また、正しいお手本を学ぶ課題も多く、実はこのような子どもには
楽しくない内容が多い時期なのです。


そこで、理解できていないわけではないので、繰り返しの学習は半分で良しと
しませんか?とアドバイスをしました。
大切なのは、全部綺麗に自分の力でやらせ続けると、
学習を嫌いになってしまうということなのです。


学習がつまらない → 学ぶ事が嫌いになってしまったら
それを修正することは至難の技。


ですから、ママが手伝ってあげて良いのではないですか?とお話ししました。
「子どもの宿題を、やってしまって良いのですか?」
とみなさん驚きますが、半分しかやらずに提出したら、やり直しになりますでしょう。
叱られる事もあるでしょう。これはダメです。


半分なら、すぐ取り掛かるようになり、ここは自分でやったほうがいい所、
ここはママにやっておいてもらう所と自分で割り振るようにまでなっていきました。
最小の労力で、ちゃんと学ぶ方法を知ったという事です。


自由度が低い学校生活



学校には、いろいろなタイプのお子さんが在籍しています。
皆長所が違い、カラフルな才能を持つ子どもたちです。
私の提唱する「カラフル」を発達の凸凹がある子どもに限定しておられる方が
多くいらっしゃいますが、そうでは無いのでここで申し上げておきます。


学校生活は、バランスを評価されます。各教科平均して出来る事が良しとされますし
友達とバランスよく付き合う事も必要。好きな教科に没頭している時間はありません。


しかし社会では、研究職、職人、IT関連に強い人材など、ある分野に特化した強みを
持つ人材が求められています。もちろん、バランスをとる人材も必要です。
両者が互いに力を発揮して協力し合うことが高いパフォーマンスを生む秘訣です。


このお子さんは、高い才能の持ち主である事は間違えありません。
ですが、学習内容の調整が非常に必要だと感じました。


同じようなケースを知っていたので、ママに伝え続けました。
上手に育てていきましょうと。





みるみる力を発揮し出す


中学3年になった今、漢字練習帳を見て嫌だと泣いていた子が逞しく成長しました。
漢字の形に魅せられ、研究を重ね漢検準1級を趣味の様に合格しました。
これは、大学・一般レベルとされ、現役大学生でも1回で合格するのは難しいと
某有名個別学習塾で聞きました。


社会系の学びも、好き嫌いはありますが、歴史、世界経済に関して興味があり
文献を読むからでしょう。大人顔負けと聞いています。

古典の「かなが好き」と熱く語り、鉛筆で書いた美しいカナ文字を見せてくれた事も。


英語に関しては小学生の頃から、インスタで日本文化の事で外人と話したくて
Google翻訳を駆使しやりとりをしていたと言っていました。



時代から求められている事




この様に、学ぶことを嫌いにさせないことが後に大きな才能を開花させることに
なったわけです。1年生で漢字練習帳を何時間も毎日泣きながらやらせていたとしたら
この子は、学ぶという事から逃げることにフォーカスしていたはずです。


このお子さんは、学習面でわかりやすく開花したケースですが、人柄や、もちろん
音楽性、人生の可能性に気づく事も大きな才能です。


持って生まれた、キラキラとしたカラフルな才能を見つけるお手伝いをしたいと
教育に携わってきました。大人から押し付ける事ではありません。
少しだけ顔を出した才能を、踏まれてしまわない様に守ってあげる事です。
しかし、ただただ芽を出すのを待っているのも、違うと思います。


変化の激しい現代を生きる子どもたちに、大人がすべき事が沢山あると思いませんか?
私たちの価値観が通用しなくなって来ていると、気がついて来ています。
個別に子どもと向き合う時間を持てる私たちは、やわらかい頭でいたいと思います。

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