結果に捉われない目標設定

小森剛

小森剛

テーマ:ゴルフ上達法

私は以前のコラムで「結果に捉われるとミスを生む」ということを述べ、普段のレッスンでも常にそのことをお伝えしています。
ある時、お客様からこんな質問を頂戴しました。

『私は95を切ることを目標にしています。しかし結果を気にしてはいけないのなら、スコアを目標にしない方が良いのでしょうか?』

確かにスコアは結果ですので、結果に捉われないイコール、スコアに捉われないと思われがちです。
では、どう考えればよいのでしょうか?

■ソチオリンピックに学ぶ

その前に、結果を意識し、結果に捉われる「結果エントリー」がいかにパフォーマンスを落とすことになるのかを、まだ記憶に新しい、ソチオリンピックを例に考えてみましょう。

まずは、女子スキージャンプの高梨沙羅選手。まだ17歳という年齢とまじめ過ぎる性格からか「結果を出さねば‥」という重圧から、明らかにパフォーマンスが落ちていました。

男子フィギュアスケートの羽生結弦選手は金メダルこそ取りましたが、二日目のフリーでは転倒を繰り返し、明らかにパフォーマンスが落ちていました。初日のショートプログラムで最高得点を出したことから結果に執着してしまったのでしょう。
ライバルのパトリック・チャン選手も結果エントリーで心が乱れ、転倒を繰り返したので結果的に羽生選手が金を取りましたが、チャン選手が最高の演技を見せていたら分かりませんでした。

女子フィギュアの浅田真央選手も、金メダルを取らなければと結果エントリーに陥り、SPではまさかの結果となりました。ところが、結果を手放した途端、フリーでは最高の演技を見せてくれました。

結果エントリーがいかにパフォーマンスを下げるかがお解かりいただけると思います。

■目標を細分化する

さて、話を本題に戻します。私は、先程質問をされた方とヒヤリングを続けました。
「今のゴルフがどう変われば95が切れると思いますか?」
「セカンドショットのチョロがなくなれば切れると思います」と、その方は答えます。

この方は、平均100前後で回られているので、6打縮まれば目標の95が切れます。1ラウンドで6打ですので、3ホールで1打減らせば良いことになります。
ヒヤリングを続けると、この方はセカンドショットの2回に1回はチョロなどのミスをしていることが分かりました。そして、このミスを3回に1回ぐらいに減らせれば、3ホールで1打は減らせることが分かりました。

つまり、この方が掲げるべき目標は、『現在は2回に1回の割合ででているセカンドショットのチョロを、3回に1回に減らす』となります。

「では、どんなときにセカンドショットでミスが出ているのでしょうか?」と、私は続けます。
しばらく考えてから、その方は「飛ばそうとリキんだときや、気になる事があって集中できないとき、それから‥あれこれスイングのことを考えているときかな‥」と答えてくれました。

そうです!この方の場合、ミスの殆どの原因がメンタルだったのです。であれば、ただ練習場で闇雲にボールを打っていても問題解決にはなりません。
ラウンド中の正しい思考パターンを知り、実践することが、目標達成に向けてすべきことなのです。

結果は「マルチファクトリアル(多因子)」です。自分の力ではコントロールのしようのない要素が絡み合って決まります。
結果に捉われず、今すべきことを明確にし、そのことに全力投球することが大切なわけです。

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小森剛
専門家

小森剛(スポーツインストラクター)

有限会社ゴルフハウス湘南

一般ゴルファーへのレッスンのみならず、ゴルフ指導者への指導やゴルフスクール経営支援、セミナーでの講演やゴルフ雑誌への連載執筆など幅広く活躍。またゴルフ以外のスポーツ選手のコンディショニング指導も行う。

小森剛プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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