ミスショット撲滅法② 「目的を忘れずに」

小森剛

小森剛

ゴルフは、いかにナイスショットを打つかを競うのではなく、いかにミスを減らせるか?を競うゲームです。コースレッスンなどで生徒さんのコースプレーを拝見すると、「これではミスして当然」というシーンが多々あります。
ミスして当然のプレーとはどのようなものでしょうか?また逆に、ミスを極限まで減らし、最高のパフォーマンスを引き出すことができるプレーとはどのようなものでしょうか?
「アチャ~」とはミスしたときに思わず言ってしまうあの言葉です。このコラムではミスショットを撲滅する方法をお伝えします。

②「目的を忘れずに」
こんな笑い話があります。電車に遅れそうになり、全速力で駅まで走りました。頑張って走ったため、何とか電車の時間に間に合い、ホームに入ることができました。ホッとひと安心し、ホームでハァハァ息を切らしているうちに、その電車に乗り込むのを忘れて電車は発車。ホームにひとり取り残された‥。
笑いのネタにされそうなこの人は、「電車に乗る」という本来の目的を忘れ、「全力で走る」「時刻までに駅に着く」ことのみに注力してしまったのです。

バカな奴だと笑ってばかりはいられません。この「本来の目的を忘れる」という行為は、案外ゴルフでは多く見かけるからです。
例えば、しっかり距離を出さなければならないとき、目的の距離が出せるクラブをチョイスし、そのクラブでしっかり振り抜きます。距離を出さなければならないわけですから、ビュンとしっかり振る必要がありますが、このような時でも、振らずに当てている人が多いのです。チョロやザックリを恐れていたり、大きくボールが曲がってしまうのを恐れていたりすることが原因のようですが、そのようにして仮に当たったとしても、振れていないので十分な距離は出ないでしょう。つまり「距離を出す」という本来の目的を忘れてしまっているわけです。

本来の目的を見失ってしまうことは、仕事でも日常生活でも誤りを引き起こします。
取引先との関係を円滑にして業績を上げるために行う接待が、いつしかその場を楽しく盛り上げることが目的となってしまい、業績向上という本来の目的を見失ってしまう場合や、「ダイエットしたい」とフィットネスクラブに通ってトレーニングしている人が、フィットネスクラブに通うことそのものが目的になってしまっている場合がそれです。
仕事でも日常生活でも、そしてゴルフでも、本来の目的を明確にし、それを見失わずに行動することが大切ということです。

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小森剛
専門家

小森剛(スポーツインストラクター)

有限会社ゴルフハウス湘南

一般ゴルファーへのレッスンのみならず、ゴルフ指導者への指導やゴルフスクール経営支援、セミナーでの講演やゴルフ雑誌への連載執筆など幅広く活躍。またゴルフ以外のスポーツ選手のコンディショニング指導も行う。

小森剛プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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