家族療法では「問題」を個人の問題とせず、夫婦、ご家族の「関係性」の問題としてていねいにあつかいます。
家族療法とは、カウンセリングの対象を個人の問題に限定せずに、家族内に起こっている変化しようとする力の「表れ」を対象とします。
日本では、家族内の問題は家族で納める、家族のことで他人に迷惑をかけてはいけないという習慣があったようです。国民がひとつの目標に、例えば、戦後復興などにむかっていた時代には機能した習慣であったのかもしれませんが、
価値観が多様化していく流れのなかで、家族内の問題とは、家族内で包摂することが難しいケースが増えてきました。
しかしながら、
例えば、引きこもり当事者はカウンセラーにつながることはあまりありません。
ご相談に来られるお父さんやお母さんを、家族療法の視点でカウンセリングの対象とします。
お子さんの、引きこもりという「表れ」は誰に対するメッセージなのかを探索します。
夫婦の疎遠を心配して、両者を接近させようとしているケース
不幸な(不幸そうに見える)母親を守ろうとしているケース
父と母の過剰な期待の圧力に耐えかねてストライキをしているケース
など、家族内に起こっている力動を探索し、それらを無力化することで、当事者の肩の荷を下ろす作業をしていきます。
それらを無力化するとは、夫婦関係の変化が鍵になることが少なくありません。