対人関係が窮屈になる「思い込み」を和らげるために
「愛さずにはいられない状態」と聞くと、
愛に溢れていて優しい人。のように思うこともあるかも知れません。しかしながら、基底共依存の視点で見ると、誰か他者に愛を行使していると思えていないと自分自身を保つことができない状態であると言えます。
こうした状態では、親密な他者の世話焼きに甲斐甲斐しく奔走したり、何かと先回りをして喜ばせようとしたりするかもしれません。
一見、相手のことを想っているように見えるのですが、ほんとうは相手の気持ちを全く見ていないことが多いようです。眼中に入っていない状態です。
「愛を行使」(本人は心からそう思っています)していると自分が感じられる時に、自分自身を体験できるのです。
ときには、そうしたコントロールが強く働き、「あなたのためを思ってやっているのに!どうしてわかってくれないんだ!と息吹かることもあるでしょう。
そう言われた相手は、むむ?と思いながらも、受け取りに甘んじますが長い間は続きません。
こうした「愛の行使」にやっきになるのは、自身の背後に、存在の不確かさや罪悪感などが潜んでいることがあります。だから、それらが浮上してこないようにしていないといられません。
他者へ「愛の行使」していると感じられれば、自身の存在を感じられ、罪悪感が薄まると言うデフォルトが働いているのかもしれません。
夫婦カウンセリングでは、こうした関係性について探索し、健全な「愛の行使」に気づきをむけていきます。