アルコール依存と依存「症」の関連について臨床的なミニ考察

明石郁生

明石郁生

テーマ:ACカウンセリングの臨床現場から



アルコール依存とアルコール依存症、あるいはアルコール関連の障害(アメリカ精神医学会のDSM「精神疾患の診断・統計マニュアル」の診断基準)についてカウンセリングの現場から書いてみようと思います。

依存とは、ほんらい「自然」な関係性と言えます。人間は他者に依存したり、されたりしながら係わり合って生きていくものと言う意味です。

TBSのニュース番組でアルコール依存症の部分で「たけし」さんが、「下町には一日、一生懸命働いて、夕方には銭湯行って、毎晩、晩酌をするのが楽しみって言う人はいっぱいいるけどなー、あれは、依存症なのかなー?」っておっしゃっていました。
私は、とても素敵な観点だなと感銘を受けました。

仮に、毎晩、晩酌をしていても、自分の体に気をつけて、他者に迷惑をかけるのではない関係を「依存」と言ってしまうなら、それはとても自然で素敵なことだと思うのです。臨床的にはなんら問題になりません。依存「症」ではありません。

さて、臨床現場では、アルコール依存症ということばは、

アルコールとの関係で、仕事や生活、対人関係に支障があり、いくどか体験し、あるいは内科的な疾患がある状態のときに使います。医療者から見ると、「治療対象」であるという認識をして、患者さん、クライアントさんと合意を得て、
依存症は「病気」だから適切な治療をしましょうねと治療関係をつくることができます。

一方、アメリカ精神医学会のDSM「精神疾患の診断・統計マニュアル」の診断基準では、
・アルコール作用により、持続的、反復的に社会的、対人的問題が起こり、悪化しているのにもかかわらずその使用を続ける。「アルコール使用障害」という診断基準があります。
障害とは病気ではありませんが、カウンセラーと治療関係をつくることに役立ちます。

それでは、依存症や障害となる事例とはどのような経緯があるのでしょうか?

続きを後で書きます。

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明石郁生
専門家

明石郁生(臨床心理士・カウンセラー)

家族とAC研究室

統合的アプローチでは、家族、人間関係の問題、共依存、依存症、身体症状などを変化や成長のための大切なプロセスと捉えてカウンセリング・コンサルテーションを実践します。

明石郁生プロは朝日新聞が厳正なる審査をした登録専門家です

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