コロナ禍、子どもの問題行動への家族療法のとりくみ
ACとは診断名、病気ではないのです。しかしながら、長期にわたる深い心身の支障を含んでいる目に見えにくい苦難を抱えた状態と言えます。
そして、その質と量のグラデーションはとても範囲が広いのです。
例えば、失恋をしたり、人間関係で支障を抱えて、しばらくひどく落ち込み、眠れなくなる、食欲も気力もなくなるというのは、特別な体験ではないでしょう。
家族由来のトラウマ後遺症に翻弄されているような場合は、自分の在り方や対人関係、社会との関係性に支障が表出し、ひとりでは抱えられない状態になるかもしれない。
なので、診断名、病気ではないが、病気ではないと言うには、とてもたいへんな状態であるケースが少なくない。
また、病気じゃないからお医者さん行っても、あまり理解されないことが多い。表面に表れている部分的なパニックやうつ症状、不眠症状、身体症状などにはお薬が出るけれど。
なので、このACという言葉のおかげで、家族トラウマに早期の人生を翻弄されその後遺症に悩む人々は、自分に起こっている状態を理解する糸口が掴めるようになるのです。
また、児童期の無関心、過干渉、情緒的搾取などが由来するパーソナリティ支障、アディクションなどに取り組む医療者や精神療法に取り組むカウンセラーにおおきく貢献しているのです。
ACという生きる力 連載エッセイ