在庫が多すぎて、倉庫もお金もパンパンです… 「とりあえず多めに仕入れる」が赤字を生む理由
長く続けてきたこの連載も、いよいよ最終回です。ここまで「売り手・買い手」「再生・承継」「家族経営」と、さまざまな角度から中小企業の現場を見てきました。その中で一つだけ確信していることがあります。それは、“再生できる会社”には必ず共通の「筋力」があるということです。
経営の筋力とは“続ける力”
筋力とは、派手な成長や一時の利益ではなく、「悪いときにも立ち上がれる力」です。数字で言えば、毎月の試算表をつけ続ける力、在庫を数え続ける力、資金繰りを先読みし続ける力。どれも地味ですが、この“続ける習慣”こそが、会社を再生へ導きます。
「数字が動けば、会社も動く」
再生できる会社は、数字を“自分ごと”として受け止めます。売上や利益を他人任せにせず、「なぜこの数字になったのか」を考える。数字は、過去を責めるためのものではありません。未来をつくるための材料です。
数字を見て次の行動を決める――それができる会社は、どんな状況でも必ず浮上します。
「人と数字」が噛み合うとき、再生が始まる
経営再建の現場で最も大切なのは、“人と数字の両輪”です。数字だけを整えても、人が動かなければ会社は変わらない。逆に、想いだけが強くても、数字がついてこなければ続かない。BSC(ビジネスストレングスコーチング)は、この両輪を噛み合わせるための「仕組みの言葉」です。
試算表を見ながら語り合い、課題を共有し、行動につなげる。そうして会社は少しずつ“筋肉質”になっていきます。
“強い会社”ではなく、“折れない会社”へ
私はいつも、経営者の方々にこうお伝えします。「強くなくてもいい、折れない会社をつくりましょう」と。業績が上がるときもあれば、下がるときもある。それでも、数字を見ながら対話を続けていれば、会社は必ず自分の軸を取り戻します。その姿勢こそが、真の経営の筋力だと思います。
まとめ
M&Aの成否を分けるのは、企業規模や業種ではありません。「数字を見て、話し合い、次に進む」という習慣を持てるかどうかです。再生できる会社とは、決して完璧な会社ではなく、毎月、誠実に数字と向き合う会社。平岡商店では、そんな“折れない会社”を増やすために、ビジネスストレングスコーチングを通じた伴走支援を行っています。
会社の数字にもう一度光を当て、未来を描き直す――その第一歩を、一緒に踏み出してみませんか。



