管理者に求められる『4C』のスキル
山本です。
さて、今日は「コーチングについて誤解をしていませんか?」
というテーマでお話しします。
・コーチングに興味がある
・コーチングを学んでいる
・コーチングを提供したい
・プロコーチを目指しています
という方は、ぜひ最後までお読みくださいね!
この内容は音声配信も行なっています。
下記からお聞きください↓
コーチングについて誤解をしていませんか?
では、本題。
実は今日の午後、ある大きな病院でコーチング研修をさせていただきます。
受講者さんから事前課題を提出いただいて、読ませていただいたのですが、
コーチングについて少し誤解をしている方も見受けられました。
どんな誤解かというと…。
・相手に主体性を発揮させることができる
・相手から正しい答えを引き出すことができる
・相手から意欲を引き出す
・相手に考える力を身に付けさせる などなど。
どれもこれも、惜しいです!
が、微妙に相手の課題に足を突っ込んでしまっています。
つまり、「入ってはいけない領域に入り、関係性を悪化させる可能性がある」ってことです。
アドラー心理学を知る人ならわかると思いますが、
人間関係では「課題の分離」が大切です。
これは、自分がコントロールできること、あるいはすべきことと、
相手がコントロールできること、あるいはすべきことを分けて、
それぞれの領域には立ち入らないし、立ち入らせないことが
人間関係の土台として大切だという考え方です。
ある国のことわざに
「馬を水辺に連れて行くことはできるが、水を飲ませることはできない」
というものがあります。
要するに、相手の意思をねじ曲げることはできない、
あるいは最終決定は本人にしかできない、ということです。
この課題の分離を怠り、相手の領域に踏み込んでしまうと、
いくら良かれと思ってしたことでも、相手との心の距離が離れます。
つまり、信頼関係が揺らいじゃうんですよね。
だから、絶対にやってはいけないことなのです。
とはいえ、人材育成は組織にとって超重要事項です。
早く1人前にするようにと、スピード感も求められ、
焦る気持ちもあるでしょう。
しかし、人材育成に魔法の杖はありません。
最速で育成したいなら、
相手のペースに合わせるしかありません。
急がせれば急がすほどに、
考える力が未熟なままスキルだけを身に付けていき、
結局大きなミスを犯す確率を上げてしまいます。
禅の言葉にこんなのがあります。
『啐啄同時』
これは、卵からヒナがかえる時の様子を表しています。
内側からヒナが殻を叩くのと同時に、外側から親鳥が殻を叩いてこそ、
ヒナは元気に卵からかえるという、その様子を表しています。
どちらかが早すぎるとヒナは弱ってしまうか、死んでしまいます。
タイミングが重要ってことですね。
これを、人材育成に置き換えると、
「教える側と教わる側の呼吸が合った時、学びが最大化される」
ってことです。
焦らず、相手の「学びたい」という気持ちに
合わせた教育が必要ってことですね。
じゃ、コーチングって一体何に役立つの?
と思われるかも知れません。
ここで、国際コーチ連盟の定義をご紹介します。
「コーチングとは、思考を刺激し続ける創造的なプロセスを通して、
クライアントが自身の可能性を公私において最大化させるように、
コーチとクライアントのパートナー関係を築くことである」
つまり、コーチングの最終目的は「関係づくり」なのです。
考えさせることでも、教えることでも、
意欲や考えを引き出すことでもなく、
「パートナー関係を築くこと」なのです。
質問や傾聴を使うのは、あくまでプロセス、つまり手段なのです。
思考を刺激し続ける創造的なプロセスをとっているだけです。
繰り返しますが、目的は「パートナー関係を築くこと」です。
目的と手段を履き違えてはいけませんよね。
コーチングでは、相手がどんな考えであろうが、
どんな価値観を持っていようが、
どの程度のやる気であろうが、
答えを持っていようがいまいが、
「この人は大丈夫」と絶対の信頼を持って、
その成長に伴奏することだけに集中します。
信頼関係がしっかり築ければ、必要なタイミングで頼られます。
その時には、あなたの言葉は相手の心の奥深くまで浸透していくでしょう。
まとめますね。
コーチングは、相手を変える魔法の杖ではなく、パートナー関係を築くことです。
コーチングスキルは、あくまでパートナー関係を築くための手段です。
適切に使っていきましょう。
では、今回はこの辺りで終わります。
最後までお読みいただきありがとうございました!
では、今日も良い1日をお過ごしくださいね。