【WLBコラム】『人生100年時代の到来』生き方改革vol6
WLBコラムをご覧いただき、誠にありがとうございます。
働き方改革をサポートするタイムマネジメントコーチの山本武史です。
先日から『生き方改革』についてシリーズで記事を書いております。
前回、『バランスという観点から見る』で
目の前の時間の使い方だけでなく、
少し大きな視点で毎日を見つめ直すことをご提案しました。
今回は『今この瞬間を生きる』という視点で
時間の使い方を見つめ直していきましょう。
タイムマネジメントの研修やセミナーを行うと、
その延長線上で人生設計などのご質問をいただくことがあります。
僕自身は、
人生設計は不要だと考えています。
なぜならば、
その通りに進まないからです。
いえ、計画通りに進む人生には
おもしろみを感じないといった方が正しいでしょうか。
僕は高校卒業まで地元で暮らし、
ごく平凡に地元の公立高校へ進学しました。
その後、進んだ大学は、
それまでの友人が全くいない
北海道網走市にある東京農業大学に決めました。
そして、そこでは
食品科学を専攻していたにもかかわらず、
ほとんど卒業生がいない製薬メーカーに入社しました。
さらに、製薬メーカーで
ある程度成績が残せるようになったのち、
またもや全くそれまでの仕事内容と異なる
『プロコーチ』『プロ講師』に転身しました。
それぞれのターニングポイントでは
真剣に考え抜き、覚悟を決めて決断しました。
しかし、それが人生設計として考えていたことかと問われれば、
もちろん答えは「No」です。
はたから見れば「行き当たりばったり」と
見られても仕方ないでしょう。
ですが、僕自身は納得しています。
目標を立て、その目標に向けて
努力を重ねることは大切だと思いますし、
すばらしいことだと思います。
しかし、
何が起こるかわからないのが人生でもあります。
その時々でベストな選択は
あらかじめ決められないとも思います。
ですので、
「今この瞬間」を精一杯考えて
生きるしかないのではないかと思うのです。
僕が尊敬する大先輩の一人、
榎本英剛さん(CTIジャパン創設者であり、よく生きる研究所所長)は
ご自身の著書「本当の自分を生きる」の中で、
人生設計を立てて生きる生き方を「山登り的人生」、
今この瞬間を精一杯生きる生き方を
「川下り的人生」と表現しています。
川下り的人生では、
流れに従うも逆らうも自分次第ですし、
たどるルートもひとそれぞれ。
また、徐々に川幅が広くなり、
やがて行き着くのは大海です。
どこをどう進むかは、自分自身で選べますし、
その選択の余地は歳を重ねるごとに広くなっていきます。
人生という大きな視点で見るとき、
僕は榎本英剛さんがおっしゃるような
「川下り」的人生観の方がしっくりときます。
その瞬間瞬間に、流れを見極め、
どう進むのかを真剣に考えて体を動かす。
そんな生き方をしていきたいと思うのです。
その結果、もし大海に行きつけなかったとしても、
それはそれで満足のいく生き方になると思いますし、
大海に行き着いたのならば、
そこでまたどう進むかを考え続けるのだと思います。
いずれにしても、
どこかの目的地に着くことだけに価値があるのではなく、
その瞬間瞬間にこそ、生きる価値があると思うのです。
だからこそ、将来を見据えた時間の使い方も大切ですが、
今この瞬間を心の底から謳歌する時間の使い方をお勧めしたいのです。
とはいえ、その瞬間を享楽的に過ごしてくださいと
言いたいわけでは、もちろんありません。
そうではなく、
最初に決めていただいた『人生の目的』と
自分が大切にしたい『価値観』に沿って生きて欲しいのです。
また、あなたが請け負っている『役割』も
大切にしてください。
そのために、
『今どんな時を過ごすか?』を真剣に考えませんか?
さて、今回はここまでとさせていただき、
次回は『目指すべき最終ゴールとは?』についてお伝えします。