「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加える29
前回までのコラムタイトルは、子育てとは、「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加えること、を解説しました。
この子育ては何を意味しているかですが、それは子どもの「脳の可塑性」を促進させることができるからです。
この子育て論をもっと積極的に子育てにアプローチしてみましょう。
皆さんでしたら、どのような「心地よい刺激と楽しい運動」という子育てをしてくださるのでしょうか。
今回からのコラムは、以前に紹介した子どもの心身の発達に「心地よい刺激と楽しい運動」をどう加えていただけるかという視点で子育てを考えてみましょう。
その答えは一つではなく、皆様方なりにあります。
子育てに迷ったときは、その子育てが「心地よい刺激と楽しい運動」に適応しているかどうか考えてみましょう。
また、「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
わが子が発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、わが子を理解し、「心地よい刺激と楽しい運動」を加えてあげることが重要なのです。
この子育ては、胎児から始まります。
それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。幼児(4歳以上)以上は「楽しい運動」です。4歳以上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。
これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
この取り組みは、すべて脳科学を基にするものです。
また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。
「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくるは、別にしてコラム掲載しています。
また、脳をつくることが「子育て」ですと、別にしてコラム掲載しています。
どれもこれも、子育てにつながり、またその子の特性を理解しながら、社会へとつなげていけるのです。
「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。
ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
もう一つ大事なのは、勝ち負けだけの「運動脳」を使うのではなく、「自分の伸びしろ値」を上げる「運動脳」を使うことです。
子育てにとても重要なことを述べました。
子育ての支援をもう一度掲載します。
次の「子育て」を読んで、皆様方であれば、どのような「心地よい刺激」や「楽しい運動」を子どもへ提供していただけるのでしょうか? 正解は1つではありません。皆さんでしたら、わが子にどのようにアプローチしてくれるのでしょうか?
「心地よい刺激」は、養育者が積極的にかかわることが重要です。 「楽しい運動」は、この子には何が「楽しい運動」なのか見つけてあげることが重要です。
「子育て」解説34
模倣としぐさの共有
乳児にとって関心の対象となるのは日々接近しているまわりの大人です。乳児は大人の姿や所作をたえず観察しています。自分の身体やその動きも探索的に観察しています。自分の身体のかたちや動きもまわりの大人のそれと共通という身体像がシェマとして根付いてきます。自分もまわりの人も「同じもの」「同型性」という感覚です。
もちろん、単に視覚的な相似性への気づきだけでなく、感覚を共有し、情動を共有し、という共有体験の積み重ねが、「同じ」という感覚形成を担っています。
自分も相手も「同じもの」という感覚の定着によって、相手のしぐさを自分もなぞって「同じしぐさ」をしようとする「模倣」が現れます。つまり、「しぐさ(行為)の共有」です。
このしぐさは、概ね10から11ヵ月頃から始まります。「いないいないばあ、おむつてんてん」など、養育者との親和的な遊びのなかで養育者から子どもに示されるしぐさの模倣から始まり、だんだん遊びを離れ、「バイバイ、ちょうだい」など社会的な意味をもったしぐさの模倣が可能になっていきます。
概ね生後半年を過ぎると「いないいないばあ」を喜ぶようになります。ピアジェ的に言えば、「対象の永続性」の認知と一体になった現象で、いったん見えなくなった親の顔が現れることを繰り返し確かめて、乳児が楽しむところが主です。フロイト的に言えば、手の陰から「バア」と現れる親の笑顔がうれしくて乳児が笑い、それがまた可愛くて親は「いないいないばあ」を繰り返し、そこに生じる性愛的・情愛的な一体感、情動の共有体験が主になります。
模倣が最初にこうした「遊び」のしぐさから始まる理由には、一つ目は養育者から直接自分に向けられたしぐさであること、二つ目はわかりやすいくっきりとしたパターンをもっていること、三つ目は楽しい情動の共有をともなっていることがあげられます。
とても大事な、たいせつな「あなた自身のわが子への子育て」が始まっています。
次回に続きます。