子育てには「心地よい刺激と楽しい運動」を31

吉田洋一

吉田洋一

テーマ:子育てとは

 前回までのコラムタイトルは、子育てとは、「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加えること、を解説しました。
 この子育ては何を意味しているかですが、それは子どもの「脳の可塑性」を促進させることができるからです。

 この子育て論をもっと積極的に子育てにアプローチしてみましょう。
 皆さんでしたら、どのような「心地よい刺激と楽しい運動」という子育てをしてくださるのでしょうか。
 今回からのコラムは、以前に紹介した子どもの心身の発達に「心地よい刺激と楽しい運動」をどう加えていただけるかという視点で子育てを考えてみましょう。
 その答えは一つではなく、皆様方なりにあります。
 子育てに迷ったときは、その子育てが「心地よい刺激と楽しい運動」に適応しているかどうか考えてみましょう。
 また、「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
 わが子が発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、わが子を理解し、「心地よい刺激と楽しい運動」を加えてあげることが重要なのです。
 
 この子育ては、胎児から始まります。
 それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
 胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。幼児(4歳以上)以上は「楽しい運動」です。4歳以上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。 

 これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
 この取り組みは、すべて脳科学を基にするものです。
 また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
 また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。

 「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくるは、別にしてコラム掲載しています。
 また、脳をつくることが「子育て」ですと、別にしてコラム掲載しています。
 どれもこれも、子育てにつながり、またその子の特性を理解しながら、社会へとつなげていけるのです。
 
 「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
 前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。

 ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
 お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
 もう一つ大事なのは、勝ち負けだけの「運動脳」を使うのではなく、「自分の伸びしろ値」を上げる「運動脳」を使うことです。

 子育てにとても重要なことを述べました。
 子育ての支援をもう一度掲載します。
 
 次の「子育て」を読んで、皆様方であれば、どのような「心地よい刺激」や「楽しい運動」を子どもへ提供していただけるのでしょうか?  正解は1つではありません。皆さんでしたら、わが子にどのようにアプローチしてくれるのでしょうか?
 「心地よい刺激」は、養育者が積極的にかかわることが重要です。  「楽しい運動」は、この子には何が「楽しい運動」なのか見つけてあげることが重要です。


 「子育て」解説31

 バブリングから、やりとりが始まる

 バブリングがあらわれるのが、生後6か月くらいからです。まだ、有意味のある言葉ではありません。が、養育者はすっかりそれを「おしゃべり」として、クーイングにもまして積極的に乳児に応答します。「そうなの」「そうなの」と相槌を打ったり、その「おしゃべり」を真似して声をかけたりします。
 乳児はこの段階になると、クーイングとは違って、明らかに大人の応答を意識した発声をするようになります。バブリングをしていた子どもが応答を待つようにふと声を止め相手を注視します。それに相手が応答してあげるとさらに活発にバブリングをするという相互的・双方向的な発声が始まります。つまり、「やりとり」が生まれてきます。
 「やりとり」はコミュニケーションです。
 もちろん、コミュニケーションといっても「意味」を伝え合うまではできません。ここでコミュニケートされ、共有されているものは「情動」です。バブリングでのやりとりの場面で観察されるのは、両者が心地よく声を出し合い、ほとんど一緒になって声を出し合っている状態です。そこには親密な情動の交流、両者の情動がほとんど溶け合うように「共有」されている状態が生まれているのです。
 このようにお互いの情動の波長が重なりあい一体化が生じる現象を、精神医学者のスターンは、「情動調律」と名づけています。
 私たちは、心の中に生起する様々な情動を、めいめいの脳内で孤立的に体験するのではなく、他の人と共感的に分かち合っています。分かち合うことによって、情動を処理しているのです。情動を共にできるのが人間です。幼児期の情動調律にその原点があります。バブリングによって、心地よい情動を養育者とともにするところから始まって、喜怒哀楽、様々な複雑な情動を他者と分ちあう力を次第に伸ばしていきます。

とても大事な、たいせつな「あなた自身のわが子への子育て」が始まっています。

 次回に続きます。

リンクをコピーしました

Mybestpro Members

吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

吉田洋一プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

関連するコラム

プロのおすすめするコラム

コラムテーマ

コラム一覧に戻る

プロのインタビューを読む

テニスを通じて子どもの心身発達を支援するプロ

吉田洋一プロへの仕事の相談・依頼

仕事の相談・依頼