子育てには「心地よい刺激と楽しい運動」を36
前回までのコラムタイトルは、子育てとは、「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加えること、を解説しました。
この子育ては何を意味しているかですが、それは子どもの「脳の可塑性」を促進させることができるからです。
この子育て論をもっと積極的に子育てにアプローチしてみましょう。
皆さんでしたら、どのような「心地よい刺激と楽しい運動」という子育てをしてくださるのでしょうか。
今回からのコラムは、以前に紹介した子どもの心身の発達に「心地よい刺激と楽しい運動」をどう加えていただけるかという視点で子育てを考えてみましょう。
その答えは一つではなく、皆様方なりにあります。
子育てに迷ったときは、その子育てが「心地よい刺激と楽しい運動」に適応しているかどうか考えてみましょう。
また、「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
わが子が発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、わが子を理解し、「心地よい刺激と楽しい運動」を加えてあげることが重要なのです。
この子育ては、胎児から始まります。
それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。幼児(4歳以上)以上は「楽しい運動」です。4歳以上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。
これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
この取り組みは、すべて脳科学を基にするものです。
また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。
「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくるは、別にしてコラム掲載しています。
また、脳をつくることが「子育て」ですと、別にしてコラム掲載しています。
どれもこれも、子育てにつながり、またその子の特性を理解しながら、社会へとつなげていけるのです。
「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。
ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
もう一つ大事なのは、勝ち負けだけの「運動脳」を使うのではなく、「自分の伸びしろ値」を上げる「運動脳」を使うことです。
子育てにとても重要なことを述べました。
子育ての支援をもう一度掲載します。
次の「子育て」を読んで、皆様方であれば、どのような「心地よい刺激」や「楽しい運動」を子どもへ提供していただけるのでしょうか? 正解は1つではありません。皆さんでしたら、わが子にどのようにアプローチしてくれるのでしょうか? 「心地よい刺激」は、養育者が積極的にかかわることが重要です。 「楽しい運動」は、この子には何が「楽しい運動」なのか見つけてあげることが重要です。
「子育て」解説22
一語文の段階(言語獲得のプロセス)
言語はまず「一語文」、つまり「単語表現」の習得からはじまります。事物にはそれぞれ呼び名(表現)があるという理解が生まれたときに、一語文が可能になります。最初は、じかに見たり触ったりできる実体的な事物の呼び名からはじまります。文法でいえば、名詞です。「マンマ」「ワンワン」「ブーブ」などです。
一語文の獲得には、いろいろな事物の名称を記憶して語彙を増やしていけばよいだけにみえますが、実はそれほど簡単ではありません。例えば子どもが猫を「ニャーニャ」と呼べるようになるためには、次のような気づきが必要になります。
猫の姿かたちは認知的(知覚的)には一匹一匹みんな違います。三毛もいれば黒や白もいます。しかし、認知的にはそれぞれ異なったものでも、なんらかの共通性をつかみとって、その共通性によって認識的には「同じもの」ととらえることができます。事物の呼び名とは、個々の「事物」についている名称ではなく、そうしてつかみとられた「種類」の名称なのです。この気づきがあって、はじめて言語は可能になります。
異なるものから共通した性質を見いだし、ひとつの種類としてとらえる心のはたらきです。これが「抽象能力」と呼ばれるもので、乳児期からの旺盛な探索活動でまわりの実体的事物の様々な性状を認知的にとらえ分けてきた蓄積が、ここで有効的にはたらくのです。
なので、子どもが事物の呼び名を言葉として覚えるには、試行錯誤が必要となります。例えばわが家の白い猫を「ニャーニャ」と覚えた子が、庭を歩く犬や動物園の熊を見ても四本足という共通性で「ニャーニャ」と、白い毛糸のかたまりも白くふわふわしているという共通性で「ニャーニャ」と、ときには自動車も動くものという共通性で「ニャーニャ」と呼ぶかもしれません。どれも間違いではありません。
子どもが犬を「ニャーニャ」と呼べば、きっと周りの大人は「あれはワンワンよ」と訂正してあげます。子どもの方も呼んでみてこれでいいのかなというふうに大人の反応をうかがったりします。こうした相互交流がさかんに行われながら、そこから様々な事物をどんな共通性で括って、ひとつの種類として把握するかという社会的な約束つまり言語を子どもは学んでいきます。言い換えれば、だんだんに認識的な世界のとらえ分けがはじまるのです。
とても大事な、たいせつな「あなた自身のわが子への子育て」が始まっています。
次回に続きます。



