「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加える28

吉田洋一

吉田洋一

テーマ:子育てとは

 子育てとは、「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加えることです。
 この子育て論を訪問の皆様方へ周知したく、コラムへ掲載しております。
 「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
 発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、その子を理解してあげることが重要なのです。
 そのかかわりは胎児から始まります。

 前回のコラムをもう一度掲載します。

 「その子の内側の体験の世界」のキーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」でした。
  その子の特性を理解し、その子が社会に積極的にかかわることをサポートするという意味です。

 その子の特性つまり「その子の内側の体験の世界」を理解し、その子が社会に積極的にかかわることが子育てですと解説しました。
 では、それはどういうことなのかを皆様方が知りたがっていることなのでしょう。
 それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
 胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。幼児(4歳以上)以上は「楽しい運動」です。4最上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。 

 これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
 この取り組みは、すべて脳科学を基にするものです。
 また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
 また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。

 「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくるは、別にしてコラム掲載しています。
 また、脳をつくることが「子育て」ですと、別にしてコラム掲載しています。
 どれもこれも、子育てにつながり、またその子の特性を理解しながら、社会へとつなげていけるのです。
 
 「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
 前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。

 ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
 お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
 もう一つ大事なのは、勝ち負けだけの「運動脳」を使うのではなく、「自分の伸びしろ値」を上げる「運動脳」を使うことです。

 子育てにとても重要なことを述べました。
 皆様方であれば、どのような「心地よい刺激」や「楽しい運動」を子どもへ提供していただけるのでしょうか?
 「心地よい刺激」は、養育者が積極的にかかわることが重要です。
 「楽しい運動」は、この子には何が「楽しい運動」なのか見つけてあげることが重要です。
 前回は「脳を育てる」を再掲し、皆様方へ「子育て」のご理解を促しました。
 今回のコラムは「楽しく、身体を動かす」です。
 これも、「子育て」にとてもたいせつなものです。


 「運動脳」の解説25

 脳からみた生きる力

 私の論文で「「生きる力」にみる子どもの発達の考察」を掲載しています。内容の概略は、「生きる力」とは、子どもたちが判断の根拠や理由を明確にしながら自分の考えを述べる能力や自分の人生や社会とのつながりを強くし、学習したことを生活や社会の中で活かしていくためであり、これからの子どもたちに必要なものは、「知の探索」です。自分で考え、述べることです。自分の頭で考えて、自分にふさわしい、自分のやり方を見出すことです。自分の頭で考えて、新しいやり方を創り出し、新たな行動に移すことです。また、人と違うやり方で挑戦する力を養うことやそのような人に共鳴することです。過去のやり方は参考にしつつも流されないことです。既存のルールに埋もれず縛られないことです。他人の評価を捨て、自分を肯定する価値観を持つことです。と、説明しています。
 人間は、まわりの世界をより深く、より広く知っていくことを「認識の発達」とまわりの世界とより深く、より広く関わっていくことを「関係の発達」をバランスよく経なければなりません。
 私たち人間にとって「世界」とは、単なる物質的な自然世界ではなく、人間自身が長い歴史を重ねてつくり上げてきた「人間社会」、すなわち社会的・文化的な共同社会です。人間はこのような共同社会を生きています。この世界は「物質」によって成り立っているのではなく、「観念」によって、すなわち意味(概念)や約束(規範)によって成り立っています。これが生まれ落ちた子どもが、知っていき、関わっていかねばならない人間固有の世界なのです。ここから、人間独自の精神発達の構造が生まれてくるのです。
 <認識の発達>
 世界をただモノとして物質的に知覚してとらえ分けていくのではなく、まわりの人たちが歴史的・社会的・文化的につくり上げて共有している「意味」や「約束」からなる観念の世界としてとらえ分けていくことの発達を意味します。
<関係の発達>
 ただモノとしてある環境世界に物質的にかかわることではなく、まわりの人たちと対人関係的・社会的に関わっていくことの発達を意味します。

 この「生きる力」を脳から考察しますと、「脳を育てる」からこの「新しい脳のネットワークをつくる」で紹介しましたことが起きているのです。
 つまり、シナプスの可塑性です。神経細胞(ニューロン)が手を伸ばして、情報を伝え合っているのです。人間の脳には、約1000億個のニューロンがあるといわれています。神経細胞(ニューロン)は、樹状突起があって他の細胞からの情報を受け取るアンテナの役割をもっています。この情報を受け取る役割がシナプスと呼ばれる特別な構造を持ったものです。
 この「生きる力」から、脳に「新しい脳のネットワークをつくる」ためのケアを促進しましょう。

 次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

吉田洋一プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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