「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加える6

吉田洋一

吉田洋一

テーマ:子育てとは

 子育てとは、「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加えることです。
 この子育て論を訪問の皆様方へ周知したく、コラムへ掲載しております。
 「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
 発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、その子を理解してあげることが重要なのです。
 そのかかわりは胎児から始まります。

 前回のコラムをもう一度掲載します。

 「その子の内側の体験の世界」のキーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」でした。
  その子の特性を理解し、その子が社会に積極的にかかわることをサポートするという意味です。

 その子の特性つまり「その子の内側の体験の世界」を理解し、その子が社会に積極的にかかわることが子育てですと解説しました。
 では、それはどういうことなのかを皆様方が知りたがっていることなのでしょう。
 それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
 胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。幼児(4歳以上)以上は「楽しい運動」です。4最上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。 

 これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
 この取り組みは、すべて脳科学を基にするものです。
 また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
 また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。

 「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくるは、別にしてコラム掲載しています。
 また、脳をつくることが「子育て」ですと、別にしてコラム掲載しています。
 どれもこれも、子育てにつながり、またその子の特性を理解しながら、社会へとつなげていけるのです。
 
 「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
 前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。

 ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
 お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
 もう一つ大事なのは、勝ち負けだけの「運動脳」を使うのではなく、「自分の伸びしろ値」を上げる「運動脳」を使うことです。

 子育てにとても重要なことを述べました。
 皆様方であれば、どのような「心地よい刺激」や「楽しい運動」を子どもへ提供していただけるのでしょうか?


 「運動脳」の解説3

 <運動は海馬を刺激する>
 筑波大学での研究では、ヨガや太極拳、スローランニングなど誰でもできる軽い運動を行うと、海馬が刺激され、記憶力が高まると報告しています。
 この研究では、健康な若齢成人を対象に、超低強度運動を10分間行った直後と安静後に記憶課題に取り組んだ際の脳の活動をfMRI(機能的核磁気共鳴画像法)技術を駆使して高解像度で可視化し、比較と検討を行いました。
 その結果、超低強度運動が海馬を刺激し、歯状回を起点とする記憶回路や大脳皮質の一部の活動の増加が高まることで記憶能が高まることが確認されました。
 これは、高齢者など体力の脆弱な人々にとって朗報になります。
 動物では、数週間の低強度運動トレーニングで歯状回の神経細胞(ニューロン)が増加し、記憶能も向上することが確認されています。
 また、高強度でも間欠的に運動すると、海馬歯状回の神経細胞(ニューロン)が増加し、空間記憶能が向上することが確認されています。
 運動とは、前述のジョンJ.レイティ博士の例のとおり、自分の「身体そのものが情報処理器官」である運動です。簡略的に説明しますと、「身体が脳をつくっている」ことになります。
 一点目と二点目は、ご理解できると思いますが、三点目につきましては、まだまだ理解できないスポーツ指導者や中学校の部活の顧問の方が多いのです。また、保護者の方も勝つことがスポーツであり、部活動だと思っていらっしゃる方が大半だと思いますが、子どもにとっては、スポーツは、自分にとって「楽しい、心地よい運動」なのです。
 この「楽しく、心地よい運動」という身体運動が「脳の情報処理器官を刺激する」運動に変換します。つまり、「身体運動が脳をつくっている」ことになるのです。

 次回に続きます。

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Mybestpro Members

吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

吉田洋一プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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