「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加える14
子育てとは、「その子の内側の体験の世界」に「楽しく心地よい刺激と運動」を加えることです。
この子育て論を訪問の皆様方へ周知したく、コラムへ掲載しております。
「その子の内側の体験の世界」の子どもさんには、いろいろな特性があります。
発達障害であるかどうかということではなく、また、それが何だかんだではなく、その子を理解してあげることが重要なのです。
そのかかわりは胎児から始まります。
前回のコラムをもう一度掲載します。
「その子の内側の体験の世界」のキーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」でした。
その子の特性を理解し、その子が社会に積極的にかかわることをサポートするという意味です。
その子の特性つまり「その子の内側の体験の世界」を理解し、その子が社会に積極的にかかわることが子育てですと解説しました。
では、それはどういうことなのかを皆様方が知りたがっていることなのでしょう。
それは、その子に「楽しく心地よい刺激と運動」を与えることなのです。
胎児や乳児、幼児(3歳児まで)は「心地よい刺激」です。幼児(4歳以上)以上は「楽しい運動」です。4最上の幼児には「心地良い刺激」は並行して内在します。
これが、私の研究における、育児方法であり、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」です。
この取り組みは、すべて脳科学を基にするものです。
また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。
「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくるは、別にしてコラム掲載しています。
また、脳をつくることが「子育て」ですと、別にしてコラム掲載しています。
どれもこれも、子育てにつながり、またその子の特性を理解しながら、社会へとつなげていけるのです。
「脳を育てること」が「子育て」ですので、皆様ももう一度、最新の脳科学における「運動と脳」の新常識をご理解ください。
前に解説していることを再度述べるかもしれませんが、子育ての皆様が「子どもの脳のことを理解しながら、「子育て」をこれからもお願いいたします。
ご注意申し上げますが、脳というと大人の皆様方は「知識脳」つまり「暗記脳」と早合点しますが、「知識脳」ではありません。
お分かりにならないとは思うますが、子育てに積極的に使うのは「運動脳」です。
子育てにとても重要なことを述べました。
皆様方であれば、どのような「心地よい刺激」や「楽しい運動」を子どもへ提供していただけるのでしょうか?
「運動脳」の解説2
「運動は記憶をつかさどる」「脳の海馬に影響をおよぼす」
記憶力が良いなどの言葉は、日常でよく使われる表現です。
記憶とはものごとを忘れずに覚えておくことをいい、記憶力は覚えておくために必要な力を示しています。
<記憶の仕組み>
記憶の過程は、情報を受け取る「記銘」それを保つ「保持」それを必要に応じて呼び出す「想起」の3つから成り立ちます。
生活の中では、膨大な情報が感覚器に飛び込んできます。その情報はひとまず海馬に送られ、海馬周辺の神経回路や大脳皮質の連合野へと伝えられますが、ほとんどは消えてしまいます。
海馬に保持できる時間は、数秒から1分程度でこれを「短期記憶」といいます。短期記憶の保持には限界があるので、繰り返し繰り返したり、口に出したりすることで記憶が形成されます。
「長期記憶」は、数分から年単位あるいは一生涯保持されるもので、陳述記憶と手続き記憶に分けられます。陳述記憶は、暗記した単語や旅行に行った思い出などで、言葉やイメージであらわすことができるものです。手続き記憶は、自転車の乗り方、ピアノの弾き方など身体で覚えたもので、いちど覚えると忘れにくいものです。
さらに「作業記憶(ワーキングメモリ)」もあります。脳のあちらこちらにある情報を集めて、一時的に保存し、それらを整理して、これからどうするかといったことを決めます。
<運動と記憶>
運動は記憶力や注意、判断力などの脳の機能に効果があるといわれますが、その理由として運動が記憶を司る脳の海馬に変化をもたらすことが明らかになってきました。
海馬は、脳に入ってきた情報を記憶として残すのに適したかたちに書き換えるという、記憶で重要な役割を担っています。海馬は大脳辺縁系の一部で海馬に入った情報は、歯状回を起点とする記憶回路を通り(歯状回からCA3からCA1)、再び大脳皮質へ出力されます。この神経回路が動くと、情報が記憶として脳に保持するといわれます。
また、成人の脳では新たな神経細胞(ニューロン)が生まれないと長年考えられてきましたが、1990年代に海馬歯状回で神経細胞が生まれることや歯状回で新たに生まれた神経細胞(ニューロン)が記憶に関わることなどが明らかになりました。
さらに、動物実験では、運動すると歯状回で神経細胞(ニューロン)の新生を増強されることがわかり、運動と脳のかかわりについて盛んに研究されるようになりました。
次回に続きます。