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その子の内側の体験の世界73

吉田洋一

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テーマ:子育て支援

その子の内側の体験の世界」第73回目を解説します。

 キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
 「その子を見守る」の意は、その子を放ったらかしにするという意味ではありません。
 その子の特性を理解し、その子が社会に積極的にかかわることをサポートするという意味です。
 また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。
次は、「その子にはたらきかける」です。
 親は、わが子が5歳になるまでに積極的にかかわることがとてもたいせつになります。
 これは、子育ては「脳を育てること」で詳細に解説しました。
 もう一度、読み直しましょう。


「その子を見守る」5
 「その子を見守る」の意は、その子を放ったらかしにするという意味ではありません。
 その子の特性を理解し、その子が社会に積極的にかかわることをサポートするという意味です。


 「発達障害」で一括りにしていいのか

 診断には「納得と安心」の力があります。言葉の世界を生きている私たちにとって「名前」がもつ力は大きいのです。名前を知ることがそれを知ることの第一歩で、名前が与えられることによって、それをまわりと分ちあうことができるようになる。だから、名づけには納得や安心をもたらす力があります。診断とはその納得と安心のための「医学的名づけ」にほかならず、それを求めて診察室のドアをたたく子どもや家族は少なくありません。それに応えることはだいじなことです。
 当惑や不安に本人やまわりが直面したとき、「うつ病」「ADHD」「強迫症」などの名前が与えられることは、それがその人ひとりだけの出来事ではなく、なんらかの一般性をもった現象であること、別の言い方をすれば「既知の現象だ」と知ることを意味します。これがいかにたいせつかは、逆にどの医者へ行ってもいっこうに診断名がつかない状況を思い浮かべれば、たやすくお分かりいただけることでしょう。「既知」とは、社会がすでにそれについての経験をなんらかのかたちで共有していることを意味し、これが安心につながることなのです。
 医者の告げる「これは〇〇ですね」という診断は、「自分はこれについて(知識的・経験的に)知っていますよ」という患者へのメッセージを意味します。そこがだいじなのです。自分の知っていることを活かして、お役にたてるよう努めましょう、と請けあうのです。診断すること(名づけること)をおろそかにできないのは、この意味があるからに他なりません。しばしば、そこから治療がはじまります。

 次回に続きます。

 

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専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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