「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくる6

吉田洋一

吉田洋一

テーマ:子育てとは

 私の研究における、「子どもの心身の発達」及び「子どもの心身の伸びしろ値の向上」は、すべて脳科学を基にする取り組みと活動です。また、テニス指導においても同様です。よって、テニス指導においては、他のスポーツ指導者とはすべて異なるものです。
 また、この画期的な指導法は「脳を育てること」につながるものです。

 「楽しく、心地よい」身体運動と刺激が、脳をつくる
 この馴染みのない表題に、皆様方からいささか怪訝そうな顔色が垣間見えてきます。
 この表題のシリーズでコラム掲載を短編的に掲載します。
 また、「子育てとは、脳を育てること」における、脳を育てることの手段や方策などに関わります。

 最新の脳科学における「運動と脳」の新常識を次に述べます。

<運動は海馬を刺激する>

 筑波大学での研究では、ヨガや太極拳、スローランニングなど誰でもできる軽い運動を行うと、海馬が刺激され、記憶力が高まると報告しています。
 この研究では、健康な若齢成人を対象に、超低強度運動を10分間行った直後と安静後に記憶課題に取り組んだ際の脳の活動をfMRI(機能的核磁気共鳴画像法)技術を駆使して高解像度で可視化し、比較と検討を行いました。
 その結果、超低強度運動が海馬を刺激し、歯状回を起点とする記憶回路や大脳皮質の一部の活動の増加が高まることで記憶能が高まることが確認されました。
 これは、高齢者など体力の脆弱な人々にとって朗報になります。
動物では、数週間の低強度運動トレーニングで歯状回の神経細胞(ニューロン)が増加し、記憶能も向上することが確認されています。
 また、高強度でも間欠的に運動すると、海馬歯状回の神経細胞(ニューロン)が増加し、空間記憶能が向上することが確認されています。

 次回に続きます。

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Mybestpro Members

吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

吉田洋一プロはIBC岩手放送が厳正なる審査をした登録専門家です

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