その子の内側の体験の世界64
その子の内側の体験の世界」第66回目を解説します。
キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
「その子を見守る」の意は、その子を放ったらかしにするという意味ではありません。
その子の特性を理解し、その子が社会に積極的にかかわることをサポートするという意味です。
また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。
次は、「その子にはたらきかける」です。
親は、わが子が5歳になるまでに積極的にかかわることがとてもたいせつになります。
これは、子育ては「脳を育てること」で詳細に解説しました。
もう一度、読み直しましょう。
「その子にはたらきかける」23
二語文の段階(言語獲得のプロセス)
「二語文」とは、単語を二つ以上並べて言い換えることではなく、表現が「単語」の水準から「文」の水準にステップアップしたものをいいます。
複数の単語を関連づけて一つの表現としたものが「文」です。ものごととものごとのつながりをとらえ、事物そのものだけではなく、事物の状態や性質や動きにも呼び名があることを理解し、それによってものごととその在り方とのつながりを認識し、それを一つに表現できるようになった段階です。
「ワンワン アンヨ」「パパ カイシャ」「クック ナイナイ」「ワンワン オーキイ」など品詞でいえば、動詞や形容詞がでてきます。これらは外界の対象の在り方をとらえた表現ですが、主観的な自分自身の在り方の認識とその表現がでてきます。例えば、「ポンポン イタイ」「ワンワン コワイ」「マンマ ホチイ」などです。
ものごととその在り方との関係をつなぐ品詞は、日本語では助詞です。しかし二語文では、すぐには助詞はでてきません。助詞が言語表現において存分に使いこなせるのはもっと先になります。「は」と「が」の使い分けを考えてもわかるとおり助詞は複雑微妙で、ものごとの関係を的確にとらえ分けるにはより高い認識力が求められます。
でも、最初は助詞表現はでてこなくても、本当は「ワンワン(ノ)アンヨ」「パパ(ハ)カイシャ」「ポンポン(ガ)イタイ」と表現としてはあらわれていなくても、助詞的な関係の認識が芽生えはじめてきているのです。
次回に続きます。