これからの子育て4
「その子の内側の体験の世界」第42回目を解説します。
キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。
次は、「その子にはたらきかける」です。
親が5歳になるまでに積極的にかかわることがとてもたいせつになります。
これは、子育ては「脳を育てること」で詳細に解説しました。
もう一度、読み直しましょう。
「その子にはたらきかける」2
啼泣
赤ちゃんに、何かしらの不快が強い刺激となって現れます。
不快とは、何らかのかたちで生存を脅かされたときに生じる感覚です。
不快が生じると、それを除去する行動をとります。
が、赤ちゃんは、自分の力で不快を除去して、自らを護る力がまだ育っていません。
そこで、赤ちゃんは泣くことで親の注意を引いて、自分に代わって不快を除去してもらうことになります。
赤ちゃんの啼泣は、緊急時のベルやアラームの役割をもっています。
赤ちゃんは、泣くのが仕事のようによく泣きます。
ただ単に泣いているのではなく、赤ちゃんは外界を体験しています。
その体験から、赤ちゃんなりに精神の発達をしているのです。
赤ちゃんにとって、不快の原因は、空腹であったり、暑さだったり、寒さだったり、痛さだったり、様々です。
当然ながら、赤ちゃんにとって不快の原因はわかりません。
わからないのですが、その不快への反応ないし生理反応として啼泣が起きているのです。
未分化な漠然とした不快反応に対応しているのです。
赤ちゃんが未分化な不快反応に反応や生理反応を通して、赤ちゃんの外界への体験世界が始まります。
ピアジェは、これを探索的な手探りを通して、能動的なとらえへと発展し、様々な認知的なシェマとしてとらえ分けられていくプロセスを感覚運動期と評しました。
次回に続きます。