非実体と代名詞(言語獲得のプロセス)
「その子の内側の体験の世界」第39回目を解説します。
キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。
「その子を知る」38
○潜在期
親との性愛的な交流が子どもの精神発達のテーマとしては潜在化し、それに代わって家族の外の世界での社会的なかかわりが大きなテーマとなってきます。ほぼ学齢期に相当します。
これまでは、家族内での養育者との性愛的なかかわりに向けられていたこころのエネルギー(リビドー)が、この時期になると家族の外の世界での社会的な対人関係や知識、技能の探求のほうに旺盛に注がれるようになります。この潜在期の存在によって、人間は高度な文化をもつことが可能になったとフロイトは述べています。
潜在期は子どもに「性的な関心」が芽生える時期でもあります。これは潜在期に入って旺盛化した知的な探求心や知識欲のあらわれで、「性の世界」はおとなの秘密の領域であるだけに一層この時期の子どもにとって興味津々になります。異性への興味や憧れも芽生えてきます。
次回に続きます。