やりとりから関心の共有が始まる2
「その子の内側の体験の世界」第28回目を解説します。
キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。
「その子を知る」27
○1小児性愛(フロイト)~生きるための刺激
フロイトは、性倒錯を「かたより」や「病理性」とはとらえず、人間の性の在り方は本来そこから始められると考えました。
つまり、人間の性愛はあらかじめ一義的に生殖行動に結び付いているわけではないとしました。
定型発達としては、その方向へ向かって開花していきますが、初めからそうであるのではなく、またきっとそうなるとはかぎらない可能性があるということです。
人間の性愛は、最初、乳幼児が養育者との愛撫的なかかわりを求める心身未分化的な深い欲求として始まります。
この深い欲求をフロイトは、「小児性愛」と名付けました。ただし、一般に成人がもつ「性欲」を乳幼児がすでに抱いているという意味では全くありませんので、注意が必要です。
私(吉田)は、この乳幼児の小児性愛は、乳幼児が養育者との愛撫的なかかわりをもって、乳幼児が生きるために必要な刺激を要求している術と解しています。
次回に続きます。