その子の内側の体験の世界21
「その子の内側の体験の世界」第26回目を解説します。
キーワードは、「その子を知る」「その子にはたらきかける」「その子を見守る」です。
また、今まで解説してきたことと重複するかもしれませんので、今までのコラムも再読していただければ幸いです。
「その子を知る」25
4形式的操作期
具体的な生活的なことがらやイメージを離れて、まったく抽象的な概念操作による論理的な思考ができる知性の段階です。思春期から成人期に相当します。
形式的論理ができる、つまり、理屈を理屈としてしっかりとこねられる段階です。
算数の加減乗除は、おやつをどう分けるか、お買い物にいくらかかるかなど生活面に寄り添わせて、具体的なイメージを通してつかめますが、数学ではそうはいきません。連立方程式や三角関数などと抽象的な論理操作的な数学が身についたときに、ピアジェは、知性のはたらきが到達したと考えたのです。
ピアジェの発達論は、人間を合理的な理性的な存在としてみなす近代社会の人間観に立脚しています。社会人(大人)がもつべき合理的な理性的な思考を、子どもがいかなるステップを踏んで自分のものにするかを描いたものです。
次回に続きます。