幼児の発達の症状の特徴9
小学生(6歳から12歳児編)における発達の症状の特徴を解説します。今回は132回目です。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているのは、1回目で解説しているとおり、子どもの外側からみた行動の観察です。子どもが内側でどういう「体験」の行動をしているのか理解が必要ですし、その理解を「学び」に活かしているのでしょうか。
これは、子どもの内側の「体験」という「その子らしさ」の基本的人権です。この基本的人権を保障し、尊重し、理解して学びに対処しなければなりません。
「学び」や「子育て」においても、「その子らしさ」を尊重し、理解していただきたいと思います。
また、これから述べる各症状の特徴を「発達障害」かどうかではなく、その似たような行動や振る舞いも「その子らしさ」であることを理解しましょう。
26 目が回らない
<前庭感覚、人間はどうして目が回るのか>
○目が回る、その時の感覚の仕組みは
内耳にある前庭と三半規管は、内部にはリンパ液という液体という液体で満たされています。
このリンパ液の動きで、平衡感覚を感じ取っています。
水が入ったコップを回転させると、コップは回転しても中に入った水は回転しません。
それと同様に体が傾いたり回転すると、前庭や三半規管は体と一緒に動きますが中のリンパ液は動きません。
この原理で、体の傾き、揺れ、回転、加速などを感じる感覚が前庭感覚です。
しかし、水が入ったコップを陶芸の「ろくろ」に乗せて回転させると、中の水も次第にコップと一緒に回転を始めます。
ろくろを急に止めると、ろくろと一緒にコップは止まりますが、コップの中の水はしばらく回転を続けます。
それと同様に、体をずっと回転させ続けて急に止めると。前庭や三半規管は体と一緒に止まりますが、中のリンパ液はしばらく回転を続けます。
体は止まっていても、前庭と三半規管の中のリンパ液が動いている状態、これが目が回っている状態なのです。これが人間が目が回る仕組みです。
その子が前庭感覚が鈍感なら、リンパ液が動いていてもその状態を感知できないので、目が回っている状態なのです。
次回に続きます。