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小学生の発達の症状の特徴129

吉田洋一

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テーマ:子育てをめぐる問題

小学生(6歳から12歳児編)における発達の症状の特徴を解説します。今回は129回目です。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているのは、1回目で解説しているとおり、子どもの外側からみた行動の観察です。子どもが内側でどういう「体験」の行動をしているのか理解が必要ですし、その理解を「学び」に活かしているのでしょうか。
 これは、子どもの内側の「体験」という「その子らしさ」の基本的人権です。この基本的人権を保障し、尊重し、理解して学びに対処しなければなりません。
 「学び」や「子育て」においても、「その子らしさ」を尊重し、理解していただきたいと思います。
 また、これから述べる各症状の特徴を「発達障害」かどうかではなく、その似たような行動や振る舞いも「その子らしさ」であることを理解しましょう。

26 目が回らない
<具体例>
 くるくる回っても全然目が回らないのです。
 どんなに回ってもフラフラしないでまっすぐ歩きます。
 目が回らないので、くるくる回る遊びが大好きです。
 その子には、目が回らないことが特別だという感覚はありません。

<原因は>
 前庭感覚が鈍感なのが目が回らない原因です。
 前庭感覚とは、耳の奥の内耳にある前庭と三半規管の働きによる感覚のことです。
 前庭とは、重力と直線加速度を司る感覚器官のことです。
 また、三半規管とは回転するときの方向と速さを感知 する役割の感覚器官です。
 この前庭と三半規管の働きよる前庭感覚は、体の傾きや揺れ、回転、加速などを感じる感覚で、前庭神経によって脳に伝達されます。
 目が回る回転運動は、三半規管が感じ取る前庭感覚です。
 この感覚が鈍感なのが、その子が目が回らない医学的な原因です。
 目が回らない他にも、平衡感覚全般が鈍感な場合も多く、高い高いを怖がらなかったりします。
 目が回らないだけですので、運動が得意という訳ではありません。
 逆に、感覚が未発達なので、運動が苦手な場合が多いのです。
 この目が回らないという特徴は、大人になっても変化なく目が回らない場合と年齢とともに少なくなっていく場合がります。

  次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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