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小学生の発達の症状の特徴35

吉田洋一

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テーマ:子育てをめぐる問題

 小学生(6歳から12歳児編)における発達の症状の特徴を解説します。今回は35回目です。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているのは、1回目で解説しているとおり、子どもの外側からみた行動の観察です。子どもが内側でどういう「体験」の行動をしているのか理解が必要ですし、その理解を「学び」に活かしているのでしょうか。
 これは、子どもの内側の「体験」という「その子らしさ」の基本的人権です。この基本的人権を保障し、尊重し、理解して学びに対処しなければなりません。
 「学び」や「子育て」においても、「その子らしさ」を尊重し、理解していただきたいと思います。
 また、これから述べる各症状の特徴を「発達障害」かどうかではなく、その似たような行動や振る舞いも「その子らしさ」であることを理解しましょう。

6 会話の理解力がない。変なおしゃべりをする。
(続き)
<ダメな例>
○早く!と、答えを急がせる
 家庭でも学校の授業でも「早く答えて!」と答えを急がすのはやめましょう。
 発達障害や知的障害をもつ子は、上手く答えられないのです。
 急がしても答えられるようにはなりません。
 急がすのではなく、答えられるように上手く誘導してあげましょう。
 時間が限られた学校の授業では、時間をかけるとクラスの授業の進行が遅れて迷惑になります。
 答えを急がせず、すぐにヒントを与えたり、隣の子と相談させて答えを誘導してあげましょう。

○答えられないことを叱る
 答えられないことを叱ることや答えられないと罰を与えることなどはやめましょう。
 その子はわざと答えないわけではありません。
 頑張っても答えられず、その子本人が一番苦しんでいるのです。
 叱ったり罰を与えるのではなく、その子がもつ悩みを理解してあげて、答えられるような改善策を試しましょう。
 
○特別扱いをする
 家庭での親子の会話で、一方的なおしゃべりをさせるなどの特別扱いはやめましょう。
 その子は親と会話をしながら、会話の方法を覚えていきます。
 普段の親子の会話の中で、一方的なおしゃべりをやめさせて、会話のマナーを教えましょう。
 また、学校の先生にも私語や授業中の勝手な発言は、その子だからと特別扱いせず、正しいルールを守るように指導してもらいましょう。甘やかせるのはその子のためになりません。

○厳しく叱る
 その子が会話が苦手で、授業中に勝手な発言をするのは障がいのためです。
 目立とうとか、ふざけているわけではありません。一度厳しく叱っても改善されません。
 かと言って、甘やかすものもよくありません。
 どうせその子だからと言っても無駄だとあきらめると全く改善されません。
 家庭でも学校でも厳しすぎず、甘やかせず、繰り返し何度も根気よく指導していきましょう。
 (6終わり)

 次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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