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小学生の発達の症状の特徴29

吉田洋一

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テーマ:子育てをめぐる問題

 小学生(6歳から12歳児編)における発達の症状の特徴を解説します。今回は29回目です。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているのは、1回目で解説しているとおり、子どもの外側からみた行動の観察です。子どもが内側でどういう「体験」の行動をしているのか理解が必要ですし、その理解を「学び」に活かしているのでしょうか。
 これは、子どもの内側の「体験」という「その子らしさ」の基本的人権です。この基本的人権を保障し、尊重し、理解して学びに対処しなければなりません。
 「学び」や「子育て」においても、「その子らしさ」を尊重し、理解していただきたいと思います。
 また、これから述べる各症状の特徴を「発達障害」かどうかではなく、その似たような行動や振る舞いも「その子らしさ」であることを理解しましょう。

6 会話の理解力がない。変なおしゃべりをする。
(続き)
<その原因は>
 障がいのため、言語を理解する能力やコミュニケーション能力が弱いのが原因です。
 会話でのコミュニケーションには、高度な脳の働きが必要です。
 人との会話は、相手から聞いたことを一瞬のうちに頭の中で文法や単語から、正しく会話の内容を理解する脳の働きが必要です。
 話の理解力が弱い子はそれが難しいのです。
 自分がしゃべる時には、相手に伝えたい内容を単語を文法通り並び替えて組合せ、言葉にする能力が必要です。
 例えば、英語の単語だけを覚えても英会話はできません。
 単語は思い出せても、瞬時に単語を並び替え組合せる能力が会話では必要です。
 大人のような専門用語を使ってしゃべる特徴の子は、単に大人のしゃべっていることを真似して同じようにしゃべってしまい、子ども同士の会話でのしゃべり方を使い分けできないのです。
 相手によってしゃべり方を変えることができないのです。
 一方的に、自分のことをしゃべり続けてしまう子は、状況の判断ができません。相手の気持ちが理解できないのです。
 高度な脳の働きによって、人との会話が成り立ちます。
 その子は、会話に必要な言語を理解する能力やコミュニケーション能力が弱いのです。

  次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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