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小学生の発達の症状の特徴25

吉田洋一

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テーマ:子育てをめぐる問題

 小学生(6歳から12歳児編)における発達の症状の特徴を解説します。今回は25回目です。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているのは、1回目で解説しているとおり、子どもの外側からみた行動の観察です。子どもが内側でどういう「体験」の行動をしているのか理解が必要ですし、その理解を「学び」に活かしているのでしょうか。
 これは、子どもの内側の「体験」という「その子らしさ」の基本的人権です。この基本的人権を保障し、尊重し、理解して学びに対処しなければなりません。
 「学び」や「子育て」においても、「その子らしさ」を尊重し、理解していただきたいと思います。
 また、これから述べる各症状の特徴を「発達障害」かどうかではなく、その似たような行動や振る舞いも「その子らしさ」であることを理解しましょう。

5 かんしゃくが強い。パニックになる。
(続き)
<学校に期待すること>
○その子への配慮
 家庭と違い、学校でパニックやかんしゃくを起こすと他の子に迷惑がかかります。
 発達障害や知的障害の子は、パニックそのものを我慢することができません。
 パニックの原因を先生に伝え、事前に対応をしてもらうことがたいせつです。
○事前に原因を避ける
 学校でパニックを起こさないように、事前に原因を避けましょう。
 そのためには、先生にパニックの原因を正しく伝えておきましょう。
 その子はパニックを我慢することができないので、原因を避けてパニックにならないようにします。
 大きな音がパニックの原因の場合は、大きな音の音楽を流す前に他の場所へ移動させましょう。
 大勢の人が苦手でパニックの原因の場合は、全校集会のときなど集団から避けた場所に移動させましょう。
○他の子を離させる
 パニックになると、暴れたり物を投げたりして、近くにいる他の子が危険にさらされる場合があります。
 他の子がケガをしないように、パニックになったら遠くへ移動させましょう。
○自傷行為はケガを防止する
 壁に頭をぶつける。
 自分の頭を叩く。
 パニックになると自傷行為をする場合があります。
 パニックで泣いたり、暴れたりするだけなら見守るだけでいいのですが、自傷行為まである場合はケガの防止に注意が必要です。
 タオルなどクッションになる物を当てて、ケガをしないようにします。
 自傷行為を止めるのではなく、その子がケガをしないようにすることがたいせつです。

<ダメな例>
○大声で叱る
 かんしゃくやパニックになったときに、大声で叱らないようにしましょう。
 パニックになって大声を出す子を、大声で叱ってもさらにひどい状態になります。
 パニックになった子には、冷静な対応でそれ以上に興奮させないようにしましょう。

○身体を押さえつける
 大人が力ずくで身体を押さえつけると、ますます興奮して逆効果です。
 パニックになった子を力で押さえて、やめさせることはできません。
 身体を無理に拘束されると、それが刺激になってパニックがもっとひどくなります。
 ただ、場所を移動させるとき、自傷行為のケガを防ぐとき、この2点の場合はやむをえませんが、身体を拘束するときがあります。
 それ以外では身体を押さえたりしないで、冷静に見守ることが一番効果的です。
 (5終わり)

 次回に続きます。(昨日6/9もイベントのためコラムをお休みしました。)

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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