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小学生の発達の症状の特徴10

吉田洋一

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テーマ:子育てをめぐる問題

 小学生(6歳から12歳児編)における発達の症状の特徴を解説します。今回は10回目です。誤解のないように申し添えますが、ここで述べているのは、1回目で解説しているとおり、子どもの外側からみた行動の観察です。子どもが内側でどういう「体験」の行動をしているのか理解が必要ですし、その理解を「学び」に活かしているのでしょうか。
 これは、子どもの内側の「体験」という「その子らしさ」の基本的人権です。この基本的人権を保障し、尊重し、理解して学びに対処しなければなりません。
 「学び」や「子育て」においても、「その子らしさ」を尊重し、理解していただきたいと思います。
 また、これから述べる各症状の特徴を「発達障害」かどうかではなく、その似たような行動や振る舞いも「その子らしさ」であることを理解しましょう。

2 字を書くのが苦手
(続き)
<学校に期待すること>
 学校では、授業中に黒板の字を写したり、連絡事項を連絡帳に書いたり、字を書く場面はたくさんあります。自分の書いた字が読めずに、先生に提出する宿題やテストでも困ってしまいます。
学校では字をきれいに書くための個別指導はできないと思いますが、障がいで上手に字が書けないことを先生に理解してもらい、配慮をしてもらうように相談しましょう。

○ゆっくり時間をかけて書かせる
学校ではゆっくり時間をかけて書かせるように先生にお願いしましょう。
学校の授業は時間が限られていますが、字がうまく書けない子は、クラスの他の子どもと比べると、字を書くのに時間がかかります。
 その子もクラスの他の子と同じように速く書きたい気持ちはあります。
 黒板の字を書き写すときに時間が少ないと、字がうまく書けないのに早く書いて、自分でも読めない字を書いてしまいます。休み時間に黒板の字を書き写したりできるような配慮を先生にお願いしましょう。

<ダメな例>
○急がせる
 字がうまく書けない子に急がせて速く書かせるともっと自分の書いた字がわからなくなります。字を書くのが苦手で時間がかかる子を急がせるのはやめましょう。
 急がすのではなく、ゆっくり丁寧に書かせるようにしましょう。

○練習不足と叱る
 字の間違いや字が汚いことを練習不足と叱っても効果はありません。その子は障がいのために字がうまく書けないのです。
 他の人より多く練習しても上手く書けずに困っているのは、その子本人なのです。
 悩んでいるその子を叱るのではなく、上手く字が書けるような方法を考えることが先決です。
 (2終わり)

 次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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