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乳児の発達の症状の特徴5

吉田洋一

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テーマ:子育てをめぐる問題

 各年齢段階における発達の症状の特徴を解説します。乳児についての5回目です。
 誤解のないように申し添えますが、ここで述べているから即発達障害だということではありません。経過観察も必要ですし、年齢が上がるほどその特徴がなくなることが大半です。
 また、皆さんが誤解していることがありますので、再度申し上げます。
 発達障害は発達の異常ではありません。発達の定型(平均)からのずれ(order)が生じているだけなのです。

 4 言葉が遅い
 言葉が遅く、静かでおとなしく全然しゃべらない、発達障害児の特徴です。
 言葉が遅い特徴は、知的障害も考えられます。2歳になっても話さないので、発達障害や知的障害がわかることが多いのです。
 赤ちゃんは、母親や周囲の人に興味を持ち、コミュニケーションをとりたいと思って、言葉を覚え、自分から言葉を発するようになってきます。同じ年齢の子どもと比べて、明らかに言葉が遅いと感じたら、発達障害や知的障害かもしれません。健診のときに相談してみましょう。
 乳児期では言葉が遅く、全く話さなかった子も、急に話し始める子もいます。なかなかしゃべらないなと思っても、3歳くらいになったら普通に話し始める子も多くいます。

<事例>
 2歳の頃しゃべるのは単語だけで、会話ができませんでした。3歳を過ぎても会話ができませんでした。やっぱり、この言葉が遅いっていうのは、発達障害や知的障害児の典型的な特徴だと思います。

5 言葉がおかしい
 喃語(なんご)をしゃべらない、ちょっと言葉がおかしい、発達障害児の特徴です。
 発達障害児の中には、定型の赤ちゃんが言葉を覚えていく段階と、言葉の覚え方が違う特徴があります。定型の赤ちゃんは、「おっおっ」「あうー」「えー」といった母音をまず発するようになります。その後に「ばぶばぶ」「きゃっきゃ」といった子音を含めた喃語を発するようになります。こういった喃語を話さず、いきなり「りんご」「パジャマ」といった単語を話し始める特徴があります。また、母親が言ったことを、おうむ返しで、そのまま繰り返す特徴がみられる場合もあります。
 その他には、普通に言葉を話し始めたけど、突然、話さなくなってしまう場合もあります。このように発達障害児は、言葉についてのいろいろな特徴があります。
 
<事例>
 喃語も、言葉も全部が遅かったです。
 発達障害だけじゃなくて、知的障害もあるので、極端に言葉が遅いっていう特徴でした。覚えるのが遅いだけで、覚える言葉がおかしいなって感じたことはありません。喃語を言い始めるのも遅かったです。

 このように、発達障害の特徴は全ての発達障害の特徴をもつわけではありません。いくつかの特徴には当てはまるけど、他の特徴には当てはまらないものがあります。発達障害や知的障害のいろんな特徴を確認して、当てはまる特徴を確認しましょう。

 次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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