脳を育てる
<6歳から12歳> 社会の仕組みとスキル
この年齢の仕事は、社会の仕組み、つまり世の中がどう動いているかを理解することです。これは世界についての情報を集め、ルールやルールの関連性、ルールを破ったらどうなるかを理解することです。子どもは、家庭や学校、仲間内などで社会の仕組みやルールを確かめています。
子どもが友だちの家から帰ってきて「なぜ僕はテーブルに食事を配膳したり、お皿洗いを手伝わなければならないの?Eくんの家はしなくてもいいのに」とか「Fくんのママは好きなテレビをなんでも見せてくれるんだ」と言うかもしれません。また「宿題を全部やらなければならないのか」を知りたがるかもしれません。
学業に関する親のジレンマは、もし親が子どもに勉強を押しつけると、自らやる気を起こすことが学べないことや自分で勉強の仕組みを作り上げるのを学べないかもしれないということです。一方、子どもが失敗してもそのままにしていると、学業は大事ではないと子どもが結論付づけるかもしれません。
学齢期の子どもにルールや価値観の目的を説明するとき、それが何に基づいているかを教えるのが友好的です。例えば、ある人はテーブルに食事を運びたがらない子どもに、次のように言うでしょう。「それぞれの家によってルールが違うのよ。わが家では、一人ひとりが家族のために何かを与え、それぞれが家族から受け取るの。もし、家族のために何かほかにしたいことがあるなら、教えて。それについて話し合いましょう。」この答えで、母親は協力と問題解決という二つの価値観を重視してることを子どもに伝えていきます。
<12歳から18歳> 自己の確立と分離そして性の在り方
この時期の仕事は、自己の確立と親からの分離そして性の在り方について知ることです。十代の子どもは「私はまだ親がかりだが、どうやったら自分の価値観をもちながら、独立した人間になれるだろうか?」と自問します。この年齢は、家庭や学校、友だち関係などについて、様々な場所で起きる問題に対処する必要があります。
十代の子どもは、時には性の在り方の芽生えにプレッシャーを感じ混乱します。これは、あるときはとても大人になったように思えたり、またあるときはとても未熟だと思えたりするからです。
十代の子どもの向こう見ずで、欲求不満から起こる行動が、親からの分離を助けることもあります。また、子どもの自立を安心しながら見守るだけでいい場合もあります。
次回に続きます。