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「アストロサイト」の異常が神経発達症(発達障害)に関わっている

吉田洋一

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テーマ:運動による心身の発達

 前回、最新の脳の研究から、グリア細胞のアストロサイトの機能不全が、神経発達症(発達障害)や精神疾患の症状を発していることがわかりました。と述べました。
 神経発達症(発達障害)は、脳の機能障害です。その名のとおり神経ですから、脳細胞の神経細胞(ニューロン)の機能障害だけに特化した研究がなされてきました。ところが、アストロサイトの異常が神経発達症(発達障害)を引き起こしているのではないかという研究が発表されました。

 2022年、科学誌「Nature Neuroscience」9月号に掲載された米国の研究チームによりますと、「神経発達症(発達障害)にアストロサイトと呼ばれる脳細胞の異常が関係している」との研究成果の発表がありました。
 これまでの研究で、神経細胞(ニューロン)だけをシャーレで培養としても正常に発達しないが、アストロサイトかアストロサイトが分泌したたんぱく質を加えると、神経細胞(ニューロン)の神経突起伸長の発達が促進されることや神経細胞(ニューロン)は、神経伝達に必要なネットワークを形成するために、細長い突起上のつるのような組織を伸ばすことはわかっていた。
 同国生物医学系のソーク研究所の神経科学者のニコラ・アレン氏他は、アストロサイトは、脳の中の老廃物を除去したり、脳内環境を一定に保ったりする役目の他にも「マルチタスクに長けた細胞」であり、「適切な場所とタイミングで合図を出すことによって神経回路の形成を指揮している」つまり、「神経細胞(ニューロン)に何をすべきか指示をする役割をもっている」可能性があると述べた。

 このことから、神経発達症(発達障害)のある脳では、このアストロサイトがうまく機能していないのではという問いから、アストロサイトの異常を突き止めるための研究を行いました。

 次回に続きます。

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吉田洋一
専門家

吉田洋一(心身発達の心理士)

一般社団法人JSTC

子どもがテニスを通じて、身体の動かし方や潜在的な能力を引き出し、運動の基礎づくりをサポート。さらに子どもが主体的に取り組む大会を企画開催し、その中で対話的な深い学びを習得し、自律性を高める指導を行う。

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