アストロサイト
前回、「競技スポーツを運動に変換する」ことで、自己肯定感を養うことを説明しました。
とは言っても、テニスは競技スポーツですから、勝敗は着きますし、全ての対戦で勝つことは稀です。敗けたことをどう考えるかが「生きる力」になります。敗けたことを自分の弱みと受け止められるかどうかです。
弱みに向き合うということは、自分の認めたくない側面を見つめることになります。「Jr-Open」という、主体的な行動の結果や経験から失敗や挫折を体験します。そして、能動的に弱みに向き合うことで自己成長が促されます。
なぜでしょうか?それは、子どもたちは「活発に、楽しい、心地よい身体運動」をしています。ですから、子どもたちは、知らず知らずに、この自分の弱みと向き合うことを回避せず、弱みをさらけ出す勇気を経験しているのです。
また、独りでは困難であっても、仲間と一緒なら向き合えるのです。勇気を出して向き合う姿勢は、共感を呼び起こし、他者とつながるきっかけをつくります。
これが、勝ち敗けだけの競技スポーツだったらどうでしょうか。顧問やコーチに怒られ、親にも結果だけ言われ、敗けたことだけがクローズアップされます。特に、子どもたちにおける競技スポーツのあり方と指導のあり方に疑問を呈します。誰のためのスポーツなのでしょうか。また、誰のために指導しているのでしょうか。何のためのスポーツなのでしょうか。
学校での土日や祝日の部活動は地域移行する方針ですが、それと同時に中体連の競技スポーツは廃止すべきだと思います。中体連は子どもたちの身体を育てるための組織であって、勝ち負けを競わせるための組織ではないと思います。このような組織であれば、子どもたちは自分の弱みと向き合う余裕さえありませんし、「主体性」も「楽しむ力」も存在しません。子どもたちの脳ではストレスを生じさせています。
多くの子どもたちが生きづらさを感じています。よりよく生きる術は、便利なスクリーン情報を知るだけでは機能しません。子どもたちには体験的な学びを通して、はじめて実践で使える力を保ちます。
子どもたちが社会の変化やストレスの大きな社会を生き抜くために、それに適応する力を高めていく必要があります。しなやかで柔軟な心やよりよく生きる自己実現などの歪んでも元に戻る力や逆境でも前を向くための心のあり方(メンタリティー)そして、身体、精神、社会的な多角的側面での幸福感や満足感をこの体験的な学びで培ってほしいのです。もちろん、子どもたちの脳では、シナプスの可塑性が盛んに起きています。
訪問の保護者の皆さまへ、明日と明後日はコラムをお休みする予定です。よろしければ、土日でもう一度「脳を育てる」からこれまでのコラムをご覧ください。ケアには、子どもの「真の笑顔」がたいせつです。次回に続きます。