診断について④
<速い子もいれば遅い子もいる>
精神発達の歩みは、当然ながら速い子もいれば遅い又は高い低い子もいます。「発達障害」とは、このように個人差の広い幅において、なんらかの精神機能の発達がその社会における同年齢の平均レベルを一定以上、下回っているものの総称です。どんな精神機能の発達が遅れているのか、どの程度遅れているのかによって種類分けしています。
また、「発達障害」も一つの立派な発達の「完成体」です。決して未完成な「欠陥体」ではないことを意味しています。遅れを組み込んで完成しているため、完成体のあり方は定型発達のそれとは「ちがい」をもつに過ぎません。本来、「遅滞」とか「遅れ」の言葉に、否定的・差別的な意味合いはありません。発達に遅れた者を未熟(未完成)な存在、幼いままでいる存在と考えるのは誤りです。
参考文献 子どものための精神医学 滝川一廣著