7つの分類②
私たち人間にとって「世界」とは、単なる物質的な自然世界ではなく、人間自身が長い歴史を重ねてつくり上げてきた「人間社会」、すなわち社会的・文化的な共同社会です。人間はこのような共同社会を生きています。この世界は「物質」によって成り立っているのではなく、「観念」によって、すなわち意味(概念)や約束(規範)によって成り立っています。これが生まれ落ちた子どもが、知っていき、関わっていかねばならない人間固有の世界なのです。ここから、人間独自の精神発達の構造が生まれてくるのです。
認識の発達
世界をただモノとして物質的に知覚してとらえ分けていくのではなく、まわりの人たちが歴史的・社会的・文化的につくり上げて共有している「意味」や「約束」からなる観念の世界としてとらえ分けていくことの発達を意味します。
関係の発達
ただモノとしてある環境世界に物質的にかかわることではなく、まわりの人たちと対人関係的・社会的に関わっていくことの発達を意味します。
※参考文献 子どものための精神医学 滝川一廣著