キャリアカウンセリングを入り口に、“なりたい自分”とのズレに悩む人が笑顔で踏み出す一歩を応援（2/3）

不調に陥ったことをきっかけに、「笑顔こそが人生の目的」と気づき社内でキャリアチェンジ

　電子部品メーカーで、量産品の製造工程を担うプロセスエンジニアとして勤務していた北さん。30代半ばとなり、「仕事や生活がしっくりなじんでいないような感覚」に襲われます。

　「この違和感が『ミッドライフ・クライシス』と呼ばれる心理現象だと、後日、知りました。中年期にはそう珍しくない精神的な混乱期なんですが、不運にも、組織や職務への抵抗感の高まりと家庭内の問題とが重なり、心身共に不調をきたしてしまったんです」
　
　休職を機にキャリア理論を学び始めたある日、キャリアカウンセラーから投げかけられた「あなたにとっての人生の喜びとは何ですか」の問いかけに、北さんの口をついて出た言葉は「自分や周りの人の笑顔」でした。
　
　「迷う間もなく飛びだした自分の言葉に、長い間頭の中に垂れこめていた霧が一気に晴れたようでした。『笑顔こそが人生の目的』と、心に刻んだ瞬間でしたね」

　さらに、自身を輝かせるのは、組織の一部分として職務を全うすることではなく、むしろ組織を創造し活性化させるというフィールドにあると思い至ります。
　北さんは自ら企画書を作成して、自部門長に猛アピール。ついにキャリアチェンジを果たします。

　「客観的に適正を見極めることが、能力向上のスピードアップにつながることを、身をもって知りました。自信は、思い切った行動に出る“勇気とエネルギー”になります。目指すものがはっきりすると、人って強くなれるんですよ」と力を込めます。

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