遺産相続の話は、誰から切り出すのが良いか?
近年、相続の発生件数の増加や国民の権利意識の高まりから、「遺産相続争い」や「借金の相続」など、相続に関するトラブルが増えています。司法統計年報では、全国の家庭裁判所に持ち込まれる相続の相談件数は2010年度で約17万7000件あり、10年前(9万件)の2倍近くまで急増しています。
ところで、「遺産相続争い」というと、一部の「お金持ち」の問題と思われがちですが、これは誤りです。司法統計によると、平成23年に裁判所で成立した遺産分割調停事件のうち、遺産の価額が1000万円以下のものが約31%、1000万円~5000万円のものが約43%と、実に4分の3が、いわゆる「中流家庭」で占められています。
このような相続争いを防ぐ手段の一つとして、「遺言」の作成がありますが、「うちはお金持ちではないのでいらない」「何となく縁起が悪い」という理由で、まだまだ書く人は少ないのが現状です。