コラム
遺産相続の話は、誰から切り出すのが良いか?
2013年10月17日
遺産相続の話を切り出すタイミングは、なかなか難しいと思いますが、比較的多いのが、この四十九日の時だと思われます。故人が亡くなった直後は、遺族は葬儀などで忙しいですし、役所への届出やあいさつまわりなどで精神的あるいは時間的な余裕がないでしょう。また、あまりにも早いタイミングで遺産の話をすると、まるで自分が親の遺産を早く欲しがっているように思われるのではないかという気持ちが働くこともあります。しかし、四十九日を過ぎてしまうと、相続人一同が集まる機会が段々減ってきますし、凍結されている故人名義の預貯金なども、解約しなければならないため、話をする必要に迫られてきます。
ところで、遺産相続の話は、誰から切り出せばいいのかという問題があります。これは個人的な見解ですが、話を切り出すのは、故人と同居していた配偶者や長男など、関係が密であった相続人からの方がいいと思います。なぜなら、故人と関係が近い方ほど、故人の遺産の内訳を知っている確率が高いからです。
例えば、親と同居の長男が、いつまでも遺産相続の話しを切り出さないと、別居の長女や二男としては「兄は遺産を独り占めする気ではないか」という余計な疑念を持つこともありえます。
逆に、別居している側が最初に遺産の話しを切り出すと、同居している側が「親の生活や介護の面倒を看ていたのは私たち夫婦なのに。いくら欲しいんだ」という疑念を持つことになります。そして、いったん疑心暗鬼になると、やがては裁判沙汰になるか、そこまでいかなくても、親族がバラバラになることもありえます。
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