高血糖も子供の喫煙も、カギを握るのは〇〇!
子育て世代の健康を考えるまちかど糖尿病指導薬剤師の笠原友子です。
子供を健やかに育てたい親心は、いつの時代も変わりません。
では、子供たちをどう育てればいいのか?
糖尿病の家族を持つご家庭の方はなおさら、気になるところです。
ここ10年あまり、中学生を通じた家庭への健康教育を試みています。
この中に皆さんへの、少しヒントがあるかもしれません。
今回は、子供の非行・肥満予防についてのお話です。
私は学校薬剤師もしており、毎年7月になると、夏休みに向けて薬物乱用防止教室の講師を務めます。以前は違法薬物についてだけ講義していましたが、最近では自分と家族の健康を通じて、生徒自らで考える『健康講和』をお話ししています。
子供の非行・肥満予防ができる、たった1つの家庭習慣とは?
校内のタバコの吸い殻が、1年で『ゼロ(0)』に!
今はタバコの価格が上がり、購入時に成人確認もされるため、中学生がタバコを買うことが難しくなりました。
しかし、10年前まではどこかで入手して喫煙する中学生がいたようです。先生方から聞いた話ですが、雨が降ると校内にポイ捨てされたタバコがふやけて汚れがにじみ出るので、先生方は朝から傘をさして学校中を走り回り、拾い集めていたと言います。
ところが、学校全体で「あること」に取り組んでいただいたところ、校内が爽やかな雰囲気に変わり、1年でタバコの吸い殻を目にすることがなくなりました。10年たった今では、他校から再任してきた先生が「本当に同じ学校か?」と言うほどになっています。
生徒の喫煙率を9倍にしてしまう「朝食欠食(朝ごはん抜き)習慣
薬物乱用防止教室に先立ち、複数の中学校で32項目にわたる「全校生徒向け生活習慣改善アンケート」を実施しています。生徒の日頃の生活習慣を見直せるような細かい内容で、このアンケートは10年以上続けております。
薬物乱用防止教室では、アンケート結果をもとに健康講和をしています。
アンケートの結果を見ると、「毎朝家族で朝食をとっている」と答えた生徒の大半(99%)が「喫煙経験がない」と回答しているのに対し、「朝食を1人または兄弟で食べている」と答えた生徒の10%が「喫煙経験がある(または白紙)」と回答しています。この調査から、「朝食を家族と一緒に食べること」が生徒の喫煙と関係しており、最大の非行防止になっていることがわかりました。
(相対リスク4.3倍 95%CL(2.108-8.752))
そこでさっそく、当時先生方とPTAで、夏休みに『親子朝ごはんつくり教室』を開催したところ、1年で校内からタバコの吸い殻が消えたのです。
朝食を抜くと「肥満」につながり、20歳以降も太った体型は変わらない
調査に協力してくれた子供たちがいずれ親世代になったときに、子育てに有益なデータを提供できるよう、継続して調査しデータを蓄積しています。
それによると、中学時代の生活習慣はそのまま20歳になっても引き継がれ、特に肥満体形は解消されることなく、引きずっていることがわかっています。
肥満は糖尿病など生活習慣病の引き金に
日本糖尿病学会は、肥満を糖尿病発症にかかわる最大の原因だと考えています。
私の今までの追跡研究では、成人になった時の糖代謝異常は遺伝的な要素によるものではないことがわかっています。目下のところ、糖尿病を予防するためには、肥満を予防することが有益な対策になるのではないかと考えています。
最終解析をまとめているところです。今年中には、世の中に公表され、みなさまのお役に立つことを願っております。
笠原健招堂薬局では、肥満・糖尿病の予防と改善のための健康ダイエットを20年前から実施し、健康を維持したい方、健康に戻りたい方を応援しています。肥満や糖尿病にお悩みの方は、ぜひご相談ください。