間食回数が多いとむくみますよ!
まちかど糖尿病指導薬剤師の笠原友子です。
本日は、
***********
病院で検査をして
楽しく糖尿病を改善しよう
***********
と言うお話です。
糖尿病は努力が実りやすい病気です
生活習慣病の1つに数えられる2型糖尿病は
生活習慣病と言われるだけあって
自分で改善できる病気です
何を目指して生活改善して行くかと言うと
ほぼ症状がない病気だけあって
血液検査結果を頼りにする以外にありません
うちの患者さんたちは
処方せんを持参したり
店頭相談に来られるときに
血液検査結果を持って来られます。
今の自分に何ができるのか?
どうすれば一つでも薬を減らす交渉が
医師に出来るか?
なぜ、こんなに血糖値が上がったのか?
なぜ、こんなに医師に叱られたのか?
実は患者なりに知恵を凝らしている場合があります
知恵を凝らしたのに裏目に出ることもあります
ポイントを押さえると、効果的に改善できます
自分なりにアクションを起こせば
次回の検査で何か変化が起こる
上がるのか?下がるのか?
糖尿病はそんなワクワク感のある病気です
血液検査結果は捨てずに並べて見渡そう
前回と今回と見比べて
どの数字が上がって下がったのか?
からだは毎日変化していますから
一喜一憂する必要はありませんが
自分が起こしたアクションが数字に反映しますから
ひそかに楽しみながら改善できます。
※少し字が小さくて見辛い方は、拡大するか拙著P42-43をご覧ください。
まず目が行くのは
血糖値とHbA1cでしょう
おっとその前に
体重はまず5%減量を目指しましょう
◎体重とBMIの数字は大き過ぎませんか?
BMIは体重(㎏)÷身長(m)÷身長(m)です
BMI=25以上は、肥満域に入ります。
体重を5%落とすだけで
改善効果があります。
ちょっと落としてみませんか?
血糖値を見てみましょう
◎血糖値は、測定した時点での血液中のブドウ糖の量
気を付けていたのに上がっているとき、
朝から病院に来るまでに
うっかり何か口に入れていませんか?
良かれと思って習慣的に飲んでいる毎日の栄養ドリンク
良かれと思って習慣的に飲んでいる毎日の乳酸飲料
気合いが入り過ぎてもイライラしても
交感神経が緊張すると上がりやすくなります
空腹のまま家を出て
長時間緊張して車を運転
イライラしたり、事故を起こしそうになったり
家で測定しているときと違って
病院に来ると上がっているときは
検査結果に、その出来事を記入しておくといいです
仕事の合間に病院に行くよりも
有休をとって病院に行く方が
安定した数字になる可能性はあります。
HbA1c値は要チェック
HbA1cは糖尿病の診断に使う検査値で
1~2か月間の血糖状態を反映します
上がっているとき
懇親会や友人との飲み会はありませんでしたか?
親しいお友達とのお食事会はありませんでしたか?
貧血にはなっていませんか?
貧血は改善させましょう
赤血球値(RBC)や血色素(ヘモグロビン、Hb)を見ます。
正常域の場合
ふつう「貧血はありません」と言われます。
ところがHbが正常域でも、
貯蔵鉄(フェリチン)が不足してくると
からだは症状として不調を出し始めます。
栄養に関心のある医師でないと検査しませんから
希望されると良いです。
不足していたら、すぐに貧血対策を取りましょう
白血球も赤血球も血小板もみな低い値の時は
造血力自体が下がっている可能性があります。
漢方薬に得意なものがあります。
改善効果は早いですから、ご連絡ください。
ALP値は低くないですか?
ALPは亜鉛酵素です。
亜鉛は、ミネラルの一種で
身体中の300とも500ともいわれる酵素反応に必要です
亜鉛はインスリンにも必要ですが
ALPは一番測定されやすい亜鉛酵素で
体内亜鉛量の目安とするのに便利です
正常範囲内であっても栄養的には
100台は不足傾向
200台が至適と言われます。
亜鉛が不足すると、亜鉛欠乏性の貧血を考えないといけません。
亜鉛補給をしないと、いくら鉄剤を飲んでも
赤血球の細胞膜が弱くなって溶血し
貧血は改善しにくいです
骨折など骨代謝に関係する病態があったり
脂肪肝や胆石など胆道疾患のある方も
高めに出ます
亜鉛をインスリン以外の所で
大いに使われていると考えるといいでしょう
ALP値やAST値は低くないですか?
一般には肝臓の状態を反映する酵素です。
この値が低めですと
「肝臓は大丈夫!」
と医師に太鼓判を押されて
うれしく酒を飲む方があります。
ALPやASTは酵素の活性を見ている検査数値なので
ビタミンB6が不足すると活性が低下し低めに出ます。
低い値は「見かけだけ」の場合があるのです。
ビタミン剤を飲んだくらいで次回の検査値が上がるときは
ビタミン剤の副作用ではなく
ビタミンB6不足を考えないといけません
ビタミンB6が不足すると何が困るかと言うと
古い文献ですが、アミノ酸のトリプトファンの代謝をさまたげて
インスリンを分泌する膵臓の細胞を破壊すると読んだことがあります。
インスリンが出せなくなるとさらに血糖値が上がります。
ビタミンB6が豊富な食品を選んで食べましょう
気を付けたいのはeGFR
意外と指摘を受けていないと感じるのはeGFR
腎臓を1分間に流れる血液量を表します。
糖尿病の合併症の1つに
糖尿病性腎症があることはよく知られています。
徐々に腎機能が低下してきますが
慢性腎臓病(CKD)の診断基準の一つにeGFR値があります。
慢性腎臓病(CKD)のステージの評価法はこちらのページを参考にご覧ください。
中等度の低下があっても、
何の指摘も受けていない方を多く見かけます。
年齢と共にある程度腎機能は低下しますが
重度低下が進行してしまうと
透析を受けることになります。
軽度~中等度低下して来ていても、
生活次第で進行を予防できます。
必要なのは
規則正しい生活、減塩・蛋白制限を含めた食事管理、血圧管理
こちらのページを参考に生活改善してみましょう。
飲み残した薬を差し引いて調剤できます
糖尿病は薬の飲み忘れが
わかりやすく悪化につながる病気です
2016年-2018年の2年間の薬局店頭での残薬整理を
2018年度日本薬剤師会学術大会金沢大会で発表しました。
この中で
倫理申請がしてなかったので詳細発表できなかった項目が
服用忘れにより次回診察時に処方変更があるほどに
悪化した薬剤です。
服薬しなかったことで悪化した薬剤は
パーキンソン氏病などの神経用剤と糖尿病薬の2種類でした。
真面目に薬を飲んでいるつもりが
日常の繁忙の中で
気づかないうちに飲み忘れることがあります。
なぜ今回の検査では悪化したのか?
薬の飲み忘れのせいの場合があります
飲み残し薬を持って担当の薬剤師に相談しましょう
2016年の法改正で
薬剤師の参加で残薬の整理がしやすくなり
飲み残しの分を今回の処方から差し引いて
調剤をしてもらうことができます
飲み忘れがあったせいで今回の結果が悪かった。
と言う事実を担当医に伝えることにより
医師の誤診を防ぐことにもなります。
相談できる医師や薬剤師を見つけることも
患者力です。
糖尿病は、アクションが検査結果に反映されやすい病気です
まず、血液検査結果を捨てない事から始めましょう。
最後までご覧頂きありがとうございます。