糖尿病は飽食の時代の栄養失調
みなさん、お酒はお好きですか?
酒好きの医師に「僕には指導し切れない。」と言われたのが糖尿病患者の酒量。
栄養バランス的には、下の図のようになっていますから仕方ないですが、ほかにも理由があります。
うちの常連さん達は糖尿病患者の達人揃いでして、検査値やコントロール状況を把握し、酒と血糖値の関係をカロリーで考えていません。達人の中には、栄養剤とインスリンの両刀使いで血糖値を安定させ、医師にも認められている方もいるほどです。
以前、血液検査結果は、栄養素補給に必要なデータ でお伝えしたように、血液検査結果は生活習慣を反映しています。
運動不足だったかなぁ。
食べ過ぎたなぁ。
肝臓が弱っているなぁ。
自分の体は生活習慣でどう変化するのか、日常生活と検査結果から把握していただきます。
この検査データがここまで来たから、もう用心しなきゃ。
週当たりの休肝日の日数も、検査結果を見ながらコントロールしています。
結果論でもある検査結果と栄養素で捉えるとコントロールしやすくなるからです。
インスリンは人の体の中で唯一血糖値を下げる大切なホルモンです。
一方アルコールは、吸収すると脳に到達する物質で、2つの働きを持ちます。
習慣性と脱抑制です。
毎晩でも飲みたくなってしまうのは習慣性のなせる業ですが、酔っぱらっちゃったぁ~って気持ちよく羽目を外してしまうのは、脳に到達したアルコールによる脱抑制作用が働いてしまっている証拠ですから一刻も早く解毒しなくてはいけません。
アルコールを解毒する時に働く酵素とインスリンが正常に働くときに働く酵素、2つの酵素のスタートキーは同じミネラルです。どっちを優先するか?と言うと、脳に到達する物質であるアルコールの解毒が優先されると考えられませんか?
アルコールの解毒が優先される場面は、ほかにもあります。
しめのラーメンがほしくなるわけ~肝臓に栄養と休息を!
アルコールの解毒と代謝、こちらでも解毒が優先されていますね。
その上、解毒するためにビタミンやミネラルの消費量が増えますから、冒頭の図のような栄養バランスになってしまっています。
このように、アルコールの解毒を優先する場面が多いと栄養バランスが崩れやすい上に、スタートキーのミネラル不足でインスリンが十分に活躍できません。
からだの選択は、2択と考えておきましょう。
冬は雪見酒、春は花見酒、夏はとりあえずビール、秋は月見酒、オールシーズンお酒は美味しいわけですが、
2択ですから、からだと上手に付き合って行って下さい。